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【過去問解説】 JR変更・払いもどし等その1 (令和4年出題)

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JR券の変更や払いもどしは日常においても結構な頻度で発生し得る事象です。
規定はきちんと知っておきましょう。

令和4年 国内実務 問題4(3)-1 配点4点/100点

旅客鉄道会社(JR)に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
次のJR券の取り扱いについて、設問に該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。

(注1)このJR券の購入、変更、払いもどしは、JRの駅で指定券を発売している時間内に行うものとする。
(注2)このJR券は現金で購入したものとする。
(注3)このJR券は1回も変更されていないものとする。
(注4)(この問題には関係無いので割愛)
(注5)本設問における変更、払いもどしは使用開始前で有効期間内に行うものとする。
(注6)本設問における変更、払いもどし、指定列車の乗り遅れは旅客の都合によるものとする。

◎該当するJR券の内容
・乗車券、新幹線特急券、グリーン券を合わせた1券片発行。
・上記の利用区間はいずれも 小倉駅博多駅 間。
・利用列車は3月19日の「さくら401号」グリーン車指定席。小倉7:41発 博多7:56着。
・乗車券 1,170円、特急券 1,760円、グリーン券 1,300円、合計 4,230円。

◎問題
このJR券を3月18日に払いもどす場合の払いもどし手数料の額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
乗車券の払いもどし手数料は不要、特急券の払いもどし手数料は不要、グリーン券の払いもどし手数料は390円である。

選択肢イ.
乗車券の払いもどし手数料は不要、特急券の払いもどし手数料は520円、グリーン券の払いもどし手数料は不要である。

選択肢ウ.
乗車券の払いもどし手数料は220円、特急券の払いもどし手数料は不要、グリーン券の払いもどし手数料は390円である。

選択肢エ.
乗車券の払いもどし手数料は220円、特急券の払いもどし手数料は520円、グリーン券の払いもどし手数料は不要である。

 

 

JR券の払いもどしに関する出題です。
まず、払いもどしの条件とそれぞれの手数料についておさらいしましょう。

・乗車券類 ・・・ 使用開始前であること。有効期間を経過していない(前売りで有効期間前を含む)こと。払いもどし手数料は220円。
・自由席関係 ・・・ 乗車券類と同じ。
・指定席関係 ・・・ 指定席列車出発日の2日前までなら手数料は340円。それ以降出発時刻までは券面額の30%(最低340円)。

・指定席列車の出発後、有効期間経過後は払いもどしできない(無効)。
・使用開始後の乗車券でも残存区間が101キロ以上であれば払いもどしできる(乗車済区間分運賃と220円をマイナス)。

さて、これを今回のケースに適用すると、
・乗車券部分の手数料220円は必要
特急券は前日なので30%に相当する520円(10円未満の端数は切り捨て)
・グリーン券も同じく30%の390円

アレ? 何かおかしいですね。これに当てはまる選択肢が存在しません。
実は払いもどしの規定には、上記で挙げていなかったあるポイントがあります。

・特急グリーン車、特急寝台車、急行指定席(定期列車は現存しない)など、特急券急行券 プラス グリーン券・寝台券・指定席券 が1券片発行されている場合、払いもどし手数料は グリーン券・寝台券・指定席券 の部分にだけかかる(つまり、特急券急行券部分は不要)

これを知らないとこの問題は解けません。
先ほどの情報を訂正すると、
・乗車券部分の手数料220円は必要
特急券前日なので30%に相当する520円(10円未満の端数は切り捨て)
この場合払いもどし手数料不要
・グリーン券も同じく30%の390円

となるので、この問題の正解は選択肢ウ.となります。

時刻表掲載のJR営業案内のページでも、上記の「特急券急行券部分は不要」規定は枠外にしれっと書かれているだけなので、実際に体験した方でもないとなかなか気付かないでしょう。でもその言い訳ができないのが"プロ"の世界です。
この機会を教訓として、余裕があるときに隅の方も一度は目を通しておきましょう。一字一句覚えてなくても「そういや何か書いてあったな」と思い出すだけでも効果ありです。

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