【過去問解説】 都道府県組み合わせ(祭り・街並み) (令和3年出題)
国内実務科目で、祭りは毎年のように出題されますが(所在地・時期)、街並みというのは珍しいように感じます。
通りの名前だけでは場所が特定できないのか、結局地名を冠している選択肢もありますね。出題の苦労がうかがえます。
令和3年 国内実務 問題9(4) 配点2点/100点
以下の設問の組合せについて、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
次の祭りと街並みの組合せのうち、同じ都道府県でないものはどれか。
選択肢エ.
こきりこ祭り - 山町筋
この問題の正解(同じ都道府県でないもの)は選択肢イ.です。
御柱祭(おんばしらさい)は長野県諏訪地方で行われる祭事です。6年に一度(習わしでは数え年で7年ごとと言われる)、寅年と申年に行われ、山中から切り出したモミの大木を諏訪大社の社殿の周りに建てるもので、その運び出しの際の勇壮な様子が名物となっています。
一方で、郡上八幡北町(ぐじょうはちまんきたまち)は岐阜県郡上市にある一角で、北町地区は郡上城の北側に位置する城下町です。現在は国の重要伝統的建造物群保存地区へ指定されています。
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選択肢ア.は京都府の組み合わせです。
祇園祭(ぎおんまつり)は京都市東山区にある八坂神社の祭事です。毎年7月に開催され、「宵山」をはじめとした山鉾の巡行行事が有名です。
産寧坂(さんねいざか、別名"三年坂")は同じく京都市東山区にあります。こちらも国の重要伝統的建造物群保存地区(門前町)で、八坂神社などがあるエリアと清水寺のエリアを結んでいるので観光客で賑わいます。
選択肢ウ.は佐賀県どうしの組み合わせです。
唐津くんち(からつくんち)は佐賀県唐津市、11月に開催される祭りです。"くんち"とは漢字で書くと"供日"となり、収穫に感謝を表す祭りを表します。14台の巨大な曳山が町内を練り歩きます。
嬉野市塩田津(うれしのししおたつ)は佐賀県嬉野市にあり、こちらも国の重要伝統的建造物群保存地区(商家町)です。白漆喰の壁が特徴の「居蔵家(いぐらや)」が建ち並ぶ街並みです。
選択肢エ.は富山県の組み合わせです。
こきりこ祭りは富山県南砺市の五箇山地区で開催される祭りです。"こきりこ"とはこの祭りで踊られる民謡(こきりこ節)であったり、それに用いられる楽器の名称が由来だったりします。
山町筋(やまちょうすじ)は富山県高岡市にあり、同じく国の重要伝統的建造物群保存地区(商家町)です。土蔵造りの街並みで、高岡御車山祭の「御車山」を保有していることでも知られています。
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「重要伝統的建造物群保存地区」はほぼ日本全国で100以上の地区が既に指定されており、これからも出題機会がありそうですね。先述した通り、町名だけではピンとこないパターンもあるので意外と苦戦しそうです。主だったところは頭にいれておきましょう。