旅行好きのための国内旅行業務取扱管理者ガイド

令和4年過去問解説 全問対応しました 「趣味は旅行です」から1ランク上を目指す方へ!

MENU

【過去問解説】 国内旅客運送約款(全日本空輸) (令和3年出題)

過去問まとめ(リンクページ)はこちら

旅行業務試験において、航空会社の運送約款はたいてい全日本空輸のものが出題されます。
多くの条項があるにも関わらず、試験では1問出るだけなので過去問でも傾向が網羅されず、毎年いろんな切り口で登場します。

令和3年 約款 問題6 配点4点/100点

国内旅客運送約款(全日本空輸)に関する次の記述のうち、誤っているものをつ選びなさい。

選択肢ア.
航空券は、電子データベース上に記録された事項(紙片の航空券の場合は、券面に記載された事項)のとおり使用しなければ無効となる。

選択肢イ.
座席予約申込みは、航空会社の事業所において搭乗希望日の180日前より受け付ける。ただし、航空会社が特定の旅客運賃を支払う旅客につき別段の定めをした場合は、この限りではない。

選択肢ウ.
座席予約は、旅客から、航空会社の定める航空券購入期限までに認証コード又は航空券の提示等があるまでは、確定されたものではない。

選択肢エ.
12歳以上の旅客に同伴された座席を使用しない3歳未満の旅客(幼児)については、無料手荷物許容量の適用は受けず、航空会社は、当該幼児の手荷物を、同伴する旅客の手荷物とみなす。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。

全日本空輸の約款では、予約申込の開始日を「搭乗希望日の355日前より受け付け」としています。
ただし、全てのチケットがこの対象となるわけではありません。航空各社は運航スケジュールの公開を半年に一度(たいてい1月と8月)行っており、一部の割引チケットについてはこのスケジュールに合わせて一斉発売が行われるので、それらは「355日前発売」にはなりません。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.については約款第11条「航空券の発行と効力」の中にこの記載があります。
「電子データベース上に記録された事項(紙片の航空券の場合は、券面に記載された事項)」とは耳慣れない表現ですが、言い換えると「予約事項」となるようです。
予約事項のとおり使用しなければ無効となる、と読み替えれば確かにその通りですね。

選択肢ウ.も"正しい"です。
「認証コード」とは"電子航空券を有することを証することができる確認番号"のことを指し、電子航空券の場合はこの認証コード、紙片航空券の場合はその券片、このいずれかを提示することで運送上の各種取引が行われます。
予約の次は決められた期限までに購入手続きを行わなければならず、その際にもこの提示が必要です。提示が行われなかった=期限までに購入しなかったことを示し、航空券も有効になりませんし、予約も自動キャンセルになってしまいます。

選択肢エ.も"正しい"です。
この規定は約款第39条「無料手荷物許容量」の中にあります。座席を使用しない幼児であるので1人分扱いを受けないのは止む無き話ですが、「当該幼児の手荷物を、同伴する旅客の手荷物とみなす」とあるので、幼児本人の手荷物は有償扱いになる、という意味ではありません。

過去問まとめ(リンクページ)はこちら