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【過去問解説】 旅行業法「変更登録等」 (令和4年出題)

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旅行業者等が登録し、開業した後で、業務内容に変更が生じた場合に発生するのが「変更登録等」です。
字面が似ていて紛らわしいですが、「変更登録」と「登録事項変更」という2種類の違う手続から成ります。

令和4年 法令 問題(6) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
変更登録等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
第2種旅行業者が法人である場合、その名称について変更があったときは、その日から30日以内にその主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に登録事項変更届出書を提出しなければならない。

選択肢イ.
旅行業者代理業者が主たる営業所の所在地について変更(都道府県の区域を異にする所在地の変更に限る。)があったときは、その日から30日以内に変更後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に登録事項変更届出書を提出しなければならない。

選択肢ウ.
第3種旅行業者は、第1種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。

選択肢エ.
旅行業者等は、選任している旅行業務取扱管理者の氏名について変更があったときは、その日から30日以内に登録行政庁に変更登録申請書を提出しなければならない。

 

 

この問題はちょっと変わったアプローチで解いてみます。
記事の冒頭で触れた通り、旅行業法第6条の4「変更登録等」は2つの違う手続で構成されています。

・変更登録(変更登録申請書)
旅行業者(第1種・第2種・第3種・地域限定)がその業務の範囲(登録種別のこと)を変えて事業を継続する場合。
ちなみに、旅行業者各種別と旅行業者代理業者の間の変更は、登録抹消+新規登録の扱いとなるので変更登録ではない。

・登録事項変更(登録事項変更届出書)
上記の"登録種別変更"以外で、届出事項に変更があった場合に提出。
主な項目を挙げると、名称・住所・商号・代表者などの変更、営業所関連(新設・廃止・移転など)、旅行業者代理業者関連(新設・廃止・移転・営業所改廃など)。

これを踏まえて、4つの選択肢を分別すると。。。

・登録種別の変更を行っている ・・・ ウ.
・それ以外の事項の変更 ・・・ ア.とイ.とエ.
・変更登録申請書を使っている ・・・ ウ.とエ.
・登録事項変更届出書を使っている ・・・ ア.とイ.

アレ? 組み合わせがおかしなものが1つありますね。そう、この時点で決着はつきました。
この問題の正解(誤っているもの)は、選択肢エ.です。

ちなみに、選択肢エ.で挙げている「選任している旅行業務取扱管理者の変更」については、そもそも"登録事項変更届出書"でもありません(旅行業法では届出義務が定められていない)。
ですが、東京など一部の都道府県ではこれとは別の独自規定で届出条項が定められているので、その地域の規約に従いましょう。

それ以外の選択肢は、いずれも"正しい"内容です。

選択肢ア.の「法人名称の変更」は、先ほど例示した通り、"登録事項変更届出書"による届出義務事項の1つです。
登録事項変更届では、併せて下記も覚えておきましょう。
・変更のあった日から30日以内に提出
・提出先は"登録行政庁"(第1種は観光庁長官、それ以外は主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事のこと)

選択肢イ.の「主たる営業所所在地変更」も"登録事項変更"です。
このケースはさらにポイントが一つあり、
・主たる営業所が都道府県をまたがって移転 → 管轄知事が変わる → 届出先は新しい都道府県の知事宛
となっています。

選択肢ウ.は先ほど述べた通り、登録種別の変更に伴う"変更登録申請"で合っています。
こちらも変更後の登録行政庁に提出なので、第1種の観光庁長官宛で正しいです。
ちなみに、この設問のケースでは"格上げ"に当たる第3種→第1種への変更ですが、世の中の事例ではその逆方向もあり得ます。
これは、上位の登録種別ではより高い財産的基礎を求められる(営業保証金または弁済業務保証金の供託)ことなどにも起因し、「募集型企画旅行の催行は諦めるけど、ランクを下げて旅行業を維持しよう」という経営判断は状況によって有りなのです。

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【過去問解説】 旅行業法「登録の拒否」 (令和4年出題)

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旅行業務試験では頻出の「登録の拒否」に関する出題です。
いろいろな拒否事例がありますが、パターンを覚えてしまえばそんなに難しくないかと思います。

令和4年 法令 問題(5) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。

選択肢ア.
公職選挙法に違反して禁錮2年の刑に処せられて、その刑の執行が終わった日から5年を経過した者

選択肢イ.
申請前5年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者

選択肢ウ.
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

選択肢エ.
営業所ごとに法第11条の2の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者

 

 

新たに登録しようとする旅行業者等に対しては、その資格があるかどうかの審査が必要です。
個別審査するまでもなく、「そもそもこんな業者ははじめからダメですよ」というのをあらかじめ明記してあるのが、旅行業法第6条「登録の拒否」です。
そこには11のケースが列挙されており、全部丸暗記するのももちろんアリですが、慣れれば「常識的にもこれはダメだよね」と感じ取れるようにもなります。

この問題の正解は(登録拒否に当たらないのは)選択肢ア.です。

「登録の拒否」問題を解くのに、一つ覚えておきたいキーワードが「5年ルール」です。
とある業者が欠格事項を起こしたとして、いつまでも(永久に)欠格というわけでもなく、「5年経ったら不問」という条件が付されているものがあります。
選択肢ア.の前半部分「公職選挙法に違反して禁錮2年の刑に処せられて」は旅行業登録の欠格事項に相当します。が、執行終了後5年が経過しているので現在時点ではもう問われません。よって、欠格事項が(審査上で)消えたことになり、登録を拒否される理由にはならないのです。
ちなみに、このケースでは併せて刑罰の種類について覚えておきましょう。この設問の設定は公職選挙法でしたが、
・旅行業違反の場合については、罰金刑以上で欠格適用されます
・旅行業法以外の違反(公職選挙法道路交通法 etc.)では、禁錮刑以上でないと欠格適用になりません(要は罰金刑なら問われない)
なお、刑罰の執行年数自体は関係ないので無視です。先ほどの「執行終了後5年」と取り違えないようにしましょう。

それ以外の選択肢は、いずれも「登録の拒否」に抵触します。

選択肢イ.は、先ほどの"5年ルール"と併せて覚えましょう。
なお、細かい話になりますが、「旅行業務に関し不正な行為をした」とありますが、これは旅行業者等が違反したわけではなく、わかりやすい例で言えば、無登録業者が勝手に旅行業務を営んでいたケースなのでしょう。その後、心を入れ替えて正式な登録申請に臨んだものかと思われます。
(もし仮に、旅行業者等の違反であれば、業務停止もしくは旅行業登録抹消 の措置を受けていたはずです。そのケースについてはこれとは別の項に書いてあります。)
もっとも、無登録業者であろうと、登録抹消後の再登録であろうと話は同じです。過去5年の履歴が問われますので、まだ5年経過していなかったこの業者の登録申請は今回通りません。

選択肢ウ.も登録NGです。
別の項になりますが、「国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの」というのも欠格事項の1つにあります。
旅行者保護の観点から(いざというときに賠償等の補償ができるように)指定額の「営業保証金」または「弁済業務保証金」(細かい内容はここでは割愛します)の供託義務が定められているのです。
「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」であれば、おそらくそれ以前の段階でしょうが、あえてこのケースも明記されています。

選択肢エ.の業者も登録できません。
旅行業を営もうとする場合、それぞれの営業所ごとに必ず1人以上の旅行業務取扱管理者を選任して管理監督事務に当たらせなければなりません。
登録申請時に「全ての営業所に漏れなく配置できないだろう」(=そもそも人数が足りない)と発覚したのがこの設問のケースでしょう。
なお、登録時はクリアして無事開業し、その後に退職等で有資格者が不足してしまった場合も同様に欠格ですが、そちらの場合は、まず当該営業所が業務停止となり、再度補充できた場合は再開できるようになっています。

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【過去問解説】 かみのやま温泉ほか (令和4年出題)

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この問題も、各温泉の特徴ではなく所在地(ロケーション)を問うものです。
有名どころも含まれており、地域もまあバラバラなので、前回の"京都寺社編"よりはマシでしょう。

令和4年 国内実務 問題7(2) 配点2点/100点

次の文章を読み、以下の設問について該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。

山が多く水に恵まれた我が国には河川が多く、各地に"川下り""ライン下り""舟下り"などと呼ばれる河川を利用した観光資源が存在する。
川下りには、急流のスリルを楽しむものや町中の水路から景色を楽しむものなど、さまざまなタイプがあるが、亀岡から(a)嵐山までの保津川を下る「保津川下り」は急流のスリルと渓谷美が人気。
一方、砂鉄川沿いの奇岩で知られる「(b)猊鼻渓舟下り」では船頭が唄う"げいび追分"と共にゆっくりと景色を楽しめるほか、国の名勝・天然記念物に指定された名所であり"岩畳"で知られる荒川上流域の「 ライン下り(荒川ライン下り)」はコースによって急流も緩やかな流れも楽しめる。
また、北原白秋のふるさと(c)柳川の「川下り」のように市内にめぐらされた堀割を舟で行き来するものや、水郷・(d)潮来の「十二橋めぐり」のように水路から街の景色を楽しむものなどもあり、さまざまな川下りは老若男女を問わず人気が高い。

◎問題
下線(b)と同じ都道府県にある温泉は、次のうちどれか。

選択肢ア. かみのやま温泉 
選択肢イ. 下部温泉
選択肢ウ. つなぎ温泉 
選択肢エ. 道後温泉

 

 

設問文章は、9月25日付記事の「問題7(1)」と共通です。選択肢には"川下り"そのものと何の関係もなく、単に、ある観光地との位置関係がわかっているかどうかの出題になっています。

設問文bの猊鼻渓(げいびけい)は、岩手県一関市にあります。"川下り"と言ってもここのは、
・最初(往路)は川を上る
・上った先では一旦上陸して見どころ解説
・復路は文字通りの川下り
という一風変わったスタイルで人気があります。
ちなみに同じ一関市内には、厳美渓(げんびけい)という観光名所もあります。厳美渓では川下りは無く、崖上から渓谷美を楽しみます。「空飛ぶだんご」が有名で、どちらかと言えば平泉とのセット観光に便利なのは厳美渓の方ですので取り違えに注意しましょう。

さて、この問題の正解は(猊鼻渓と同じ岩手県にあるのは)選択肢ウ.のつなぎ温泉です。

つなぎ温泉(漢字では"繋温泉")は盛岡市、と言っても市街地からは西方で小岩井農場にほど近く、山中のダム湖畔にあります。
由来は平安末期の源義家まで遡り(つなぎ温泉の語源となったのは、その源義家が愛馬をつないでいた"つなぎ石"だそうです)、以降現代に至るまで盛岡観光や商用訪問での奥座敷として機能してきました。

選択肢ア.のかみのやま温泉は、山形県上山市(かみのやまし)にあります。JR山形新幹線の「かみのやま温泉駅」で位置がわかる方もいらっしゃるでしょう。温泉の方も以前は"上山温泉"表記でしたが、近年はJR駅と同様にひらがな表記を多く用いています。
山形市米沢市の間に位置し、これらの観光地を訪れる際の宿泊先として選ばれる機会も多いです。

 

選択肢イ.の下部温泉(しもべおんせん)は、山梨県南寄りの身延町にあります。
気付いた方もおられるでしょうが、同じ令和4年試験の問題6(1)選択肢に出てきた身延山久遠寺と同じ町内で近い距離にあり、セット観光も組まれます。
近年では高速道路の中部横断道全通でアクセスがとても向上し、静岡側から甲府へ向かう際の立ち寄り先の一つにもなりました。

選択肢エ.の道後温泉(どうごおんせん)は愛媛県松山市です。この中では一番の有名どころなので、この選択肢を選んだ方はまずいなかったことでしょう。
市内の大変便利なエリアにあり、松山城石手寺・坊ちゃん関連・坂の上の雲関連など周辺観光には事欠きません。
温泉街としてももちろん有名ですが、"道後温泉"と言えば、共同湯である道後温泉本館が真っ先に頭に浮かぶのが象徴的です。

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【過去問解説】 宿泊施設の料金計算 (令和4年出題)

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各社各様に定まっている宿泊施設(ホテル・旅館)の料金体系にも実は一定のルールがあります。
「国内旅行実務」科目での出題例で見てみましょう。

令和4年 国内実務 問題3 配点4点/100点

宿泊に関する次の記述のうち、資料に基づき、誤っているものを1つ選びなさい。

(注1)モデル宿泊約款によるものとする。
(注2)入湯税及び宿泊税は課税されないものとする。
(注3)選択肢ア.は、宿泊客に違約金の支払義務がある宿泊契約とする。
(注4)選択肢イ.は、宿泊客に追加料金は発生していないものとする。
(注5)選択肢ウ.は、宿泊施設が時間外の客室の使用に応じたものとする。
(注6)選択肢ウ.は、サービス料及び消費税の計算を行わないものとする。
(注7)選択肢エ.は、宿泊契約が成立したとき、宿泊施設は指定期日までに申込金の支払いを宿泊客に求めるものとする。

◎資料
この設問における宿泊施設は、以下のとおりに定めている。
・旅館の場合
基本宿泊料:大人1人あたり1泊2食付20,000円
サービス料:10%
消費税:10%
宿泊契約解除の通知を受けた日が宿泊日の3日前であるときの違約金の比率:10%
宿泊契約解除の通知を受けた日が宿泊日の前々日であるときの違約金の比率:20%
宿泊契約解除の通知を受けた日が宿泊日の前日であるときの違約金の比率:30%
・ホテルの場合
基本宿泊料:ツインルーム(定員2名)1室あたり20,000円
チェックアウト:午前10時

選択肢ア.
この旅館の宿泊日が9月7日・8日・9日の3日である大人1人の宿泊客が、当該宿泊客の都合により9月6日に9月7日・8日の2日の宿泊契約の解除をこの旅館に申し出た。この旅館は、当該宿泊客から10,000円の違約金を申し受ける。

選択肢イ.
この旅館に大人1人と大人に準じる食事と寝具等の提供を伴う10歳の小学生の子供1人が1泊するとき、この宿泊客が支払うべき宿泊料金等の総額は41,140円である。

選択肢ウ.
宿泊客が、このホテルのツインルームを午後2時まで使用したとき、このホテルは時間外の客室の使用に係る追加料金として10,000円申し受ける。

選択肢エ.
このホテルのツインルームに、宿泊客と宿泊期間を2日とする宿泊契約が成立したとき、このホテルは申込金を20,000円とすることができる。

 

 

運送機関などと同様、宿泊施設においても利用者との間で契約時の取り決めが存在します。あらかじめ策定されたその取り決め事項を「宿泊約款」と呼び、内容は各施設で自由に決めることもできますが、観光庁が定めた「モデル宿泊約款」を採用しているところが多いです。国内旅行業務取扱管理者試験でも、この「モデル宿泊約款」に従って出題されますので、主だった条項は頭に入れておく必要があるでしょう。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢ア.です。

一見すると、
・9月7日宿泊分の契約解除 ・・・ 前日なので違約金は30%で6,000円
・9月8日宿泊分の契約解除 ・・・ 前々日なので違約金は20%で4,000円
合計で10,000円になるので合っているように見えます。ここが引っ掛けですね。
「モデル宿泊約款」を参照している方は、一番最後の方(たぶん「別表第2 違約金 旅館用」と書いてあるところ)をご覧ください。
さらに、脚注の2のところに「契約日数が短縮した場合は、その短縮日数にかかわりなく、1日分(初日)の違約金を収受します」と書いてあるかと思います。
すごく端っこですね。モデル宿泊約款を勉強した方には、もしかして「ここまで目を通せてなかったよ」という方もいらっしゃるかもしれません。でも残念ながら今回はここが勘所です。
この設問のケースでは、連泊(3泊)であり、全ての日を解除していない(9月9日の宿泊は残った)ことにより、この"契約日数の短縮"に当たります。
よって、収受される違約金は初日の9月7日分に相当する6,000円というのが正しい内容です。

残りの選択肢は全て"正しい"内容です。

選択肢イ.は、子供料金の計算方を知っていないと解けません。覚えるポイントは、
・大人に準じる食事と寝具等を提供したときは大人料金の70%
・子供用食事と寝具を提供したときは50%
・寝具のみを提供したときは30%
の料率です。ちなみに、上記は小学生以下に適用されますが、幼児はこれとまた別の設定があることもあります。
あとは、当てはめて計算するだけで、
大人20,000円+子供(大人の70%)14,000円+サービス料(それぞれの10%)3,400円+消費税(ここまでの合計に対して10%)3,740円で、合計41,140円となり合っています。
子供の料率を覚えていれば楽勝とも言えますが、今回は少々計算が面倒でしたね。

選択肢ウ.も、チェックアウト時以降の超過使用追加料金の計算方を覚えている必要があります。
・超過3時間まで ・・・ 室料金の3分の1
・超過6時間まで ・・・ 室料金の2分の1
・超過6時間以上 ・・・ 室料金の全額
この設問のケースでは、午前10時から午後2時までの超過ですから4時間、つまり6時間までの"2分の1"が適用されます。
よって、追加料金は10,000円で合っています。

選択肢エ.は、これまた申込金の規定を知っていなければなりません。と言ってもそんなにたいしたことはなく、
・宿泊期間の基本宿泊料が上限(3日以上の場合は3日分まで)
・ただし、実際にはこの上限以内で各施設がそれぞれ定める
・申込金を求めない場合もある(一応"特約"と称されています)
つまり、上限設定があるだけでそれ以内であれば(収受しない場合を含めて)各施設任せです。
この設問では、「20,000円とすることができる」と書いてあるだけなので、合っているというより"支障ありません"という言い方になります。

今回出てきた「連泊の一部取消」はそんなに見かけないケースですが、「子供料金」「客室の超過使用」「申込金の上限」は比較的よく見る問題ですので、それぞれこの機会におさらいしておきましょう。
逆に見れば、その知識がしっかり確立していれば、選択肢イ~エは合っている = 自信は無いけど消去法でア.が"誤り" という解き方もできたはずです。

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【過去問解説】 標準旅行業約款その4 (令和4年出題)

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「契約書面」「確定書面」に関する出題は過去問でもよく見かけます。
それぞれの発行目的についてきちんと理解しておきましょう。

令和4年 約款 問題1(4) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「契約書面の交付」「確定書面」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者は、契約の成立後速やかに、旅行者に、旅行日程、旅行サービスの内容、旅行代金その他の旅行条件及び旅行業者の責任に関する事項を記載した書面を交付する。

選択肢イ.
旅行業者は、契約書面において、確定された旅行日程、運送若しくは宿泊機関の名称を記載した場合には、改めて確定書面を交付することを要しない。

選択肢ウ.
確定書面を交付した場合であっても、旅行業者が手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は、当該旅行業者が契約書面に記載するところに特定される。

選択肢エ.
旅行業者は、確定書面を交付する場合において、手配状況の確認を希望する旅行者から問い合わせがあったときは、確定書面の交付前であっても、迅速かつ適切にこれに回答する。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢ウ.です。

募集型企画旅行の旅行条件(日程・サービス内容・代金・責任事項 etc.)は多岐に渡るため、当たり前のように口頭伝達だけではダメで、「必ず書面にして発行(交付)しなさい」と約款で規定されています。(書面に代わる電子データ提供でも可ですが、旅行者の手元にきちんと届いたことを確認する必要があります)
契約の成立時点で発行するものを「契約書面」と呼びますが、中にはそのタイミングではまだ未確定の項目(一部の行程やサービス内容とか)があり得ますので、「残りは何日前までにお知らせします」(もちろん旅行出発より前に)と期日明記した上で後日追加発行できます。そちらが「確定書面」です。

"契約書"と呼んでしまうと少々大袈裟ですが、要は記載必要事項(別途定められています)を網羅していれば事足りるので、「取引条件説明書」や「パンフレット」または「領収書」などで十分カバーできている項目はわざわざ別の書面で発行し直す必要はありません。それらも法的には「契約書面」の一部とみなされます。また、「確定書面」も広義では「契約書面」の一部ととらえられています。

これを踏まえた上で、各選択肢の内容を見ていきましょう。

まず、選択肢ア.は"正しい"内容です。
約款の規定としてはこの通りです(標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部 第9条より)。ただ、前述の通り、「取引条件説明書」他の書類や後日発行の「確定書面」でカバーしきれてしまう可能性があり得ます(それらを全部合わせて「契約書面」)ので、「契約書面」という名前の書面が必ず出てくるとは限りません。

選択肢イ.も"正しい"内容です。
「確定書面」は「契約書面」の発行タイミング(契約成立時)で記載できなかった項目を後日フォローすることが存在意義ですから、既に全うされている場合には登場しません。
引っ掛かる点があるとすれば、「旅行日程、運送若しくは宿泊機関の名称」以外の必須項目は漏れててもよいの?。。。 と思ってしまいますが、まあこれら以外の項目は契約成立タイミングで契約書面に書けてしまうものばかりなので、「わざわざ後日回しにする必然性無し」という意味合いなんでしょうか。ともあれ、イ.の内容は"正しい"(約款の記述に添っています)ので、この通り覚えてください。

一方で、選択肢ウ.は"誤り"(=この問題の正解)です。
もし仮に、この文章が正しいのであれば、何のために確定書面を交付するのか意味がわからない(存在価値がない)ことになってしまいます。
もちろんそんなことはなく、「確定書面に記載するところに特定される」が本来の正しい内容です。

最後に、選択肢エ.は"正しい"です。
確定書面の発行待ち = 行程やサービス内容に未確定箇所があるわけですから、気になる旅行者はそりゃ問い合わせしてくるでしょう。旅行業者はきちんとそれに回答しなさい、ということなのですが、ここでいう回答とは「その場ですぐに確定させてお知らせしなさい」というわけではありません。「すいませんが、もう少しお待ちください」というのも立派な回答です。要は、問い合わせを無視せず、その時点の最新情報を(まだ確定していないという事実を含めて)伝えることが大事なのです。

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【過去問解説】 標準旅行業約款その3 (令和4年出題)

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「約款」科目から契約の成立に関わる問題です。
一見簡単そうに見えますが、今回はあからさまな"引っ掛け"選択肢がないので私は逆に手間取ってしまいました。

令和4年 約款 問題1(3) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「電話等による予約」「契約締結の拒否」「契約の成立時期」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者が旅行者からインターネットにより通信契約の予約を受け付け、当該予約の承諾の旨を通知した後、旅行業者が定める期間内に、当該旅行者から会員番号等の通知があったときは、契約の締結の順位は、当該予約の受付の順位による。

選択肢イ.
旅行業者は、旅行者が、旅行業者に対して暴力的な要求行為、不当な要求行為、取引に関して脅迫的な言動若しくは暴力を用いる行為を行ったときは、契約の締結に応じないことがある。

選択肢ウ.
旅行業者は、応募旅行者数が募集予定数に達したときは、契約の締結に応じないことがある。

選択肢エ.
契約は、通信契約の場合を除き、旅行業者が契約の締結を承諾し、旅行者から旅行業者所定の申込書を受理した時に成立する。

 

 

"誤った"選択肢を選ぶ問題です。
"正しい"選択肢3つを選ぶ解き方(消去法)もありますが、今回のケースのように「常識的に考えて当たり前だよね」というのが多いと、逆に引っ掛けの匂いを嗅ぎ取ろうとして時間がかかってしまうこともあります。私だけでしょうか。

今回も、原文参照する方は「標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部」で検索してください。場所は第5条~第8条に当たります。

さて、この問題の正解(誤っているもの)は、選択肢エ.です。

以前どこかの過去問で、「契約の際には所定の申込書と申込金の提出が必要」(通信契約の場合を除く)と見た記憶があります。この両者は同時に提出するのが当たり前のように感じていましたが、どちらか一方だけ先に提出するなんてことが現実にあるんでしょうか。
穿った見方をすれば、申込金だけ先に提出することには意味がない(申込書が出ていないと、下手すれば名前もわからない)ので、申込書→申込金の順で提出されることを想定しているのでしょう。実際に第8条「契約の成立時期」には、契約成立を司るのは申込書ではなく申込金の受理タイミングの方だと明記されています。ここは丸暗記するか「申込書だけ先に出してもダメ」という覚え方をするかどちらかだと思います。

選択肢ア.は"正しい"内容です。
この条文自体は過去問でもよく見ます。ただ、"正しい"文章の選択肢として見るケースはあまりないので、私も問題を見たとき思わず二度見しました。
"誤り"選択肢の場合だと、「契約の締結の順位は、会員番号等の通知の順位による」と文章が変えられているパターンが圧倒的なんですよね。
「会員番号等の通知の順位による」がどういう意味を示すかは、令和3年過去問の解説で述べていますので、興味のある方はそちらも併せてご覧ください。
「通信契約の契約締結順位」令和3年過去問解説はこちら

選択肢イ.とウ.もそれぞれ"正しい"内容です。
これらは、第7条「契約締結の拒否」に登場します。トラブル回避を目的としており、常識的に相応と考えられるケースであれば、契約を結ばない"権利"が旅行業者側にあることを示しています。
イ.の事例もウ.の事例もこの通り条文の中で例示されているので問題ありませんが、常識的に考えて「これは断られても仕方ないよね」と思えるケースですね。
ところで、原文の例示の中には「その他当社の業務上の都合があるとき」というのがあるのに気付かれたでしょうか。(列挙の一番最後です)
つまり、主だった(よくある)ケースは例示できたとしても、世の中のトラブルには多種多様あるので、例をいくら列挙してもきりがなく、最後は"その他"条項で逃げるほかないのです。
逆にとらえれば、乱暴な言い方ですが、断られても常識的に仕方ない(もちろん旅行業者の単なるわがままではない)と判断できさえすれば、ほぼ何でも"その他業務都合"で通すことも可能という解釈方にもなります。

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【過去問解説】 旅行業法「業務の範囲」 (令和4年出題)

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今回は「法令」科目の中でも一つのキーポイントである「旅行業の登録種別」を取り上げます。
第1種旅行業と第2種・第3種・地域限定ってどのように違うのでしょう?

令和4年 法令 問題(4) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理者を選任しているものとする。)。

選択肢ア.
第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。

選択肢イ.
第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の実施に係る旅行業務を取り扱うことはできない。

選択肢ウ.
第3種旅行業者は、本邦外のすべての旅行業務を取り扱うことはできない。

選択肢エ.
地域限定旅行業者は、一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。)の区域、これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域についてのみ、企画旅行を実施することができる。

 

 

今回も原文である旅行業法には細かく記されていません。一応第4条「登録の申請」の第1項 第3号がこの内容に相当しますが、"第1種"の文字も何も出てきません。
例によって細則である「旅行業法施行規則」を検索してください。そちらでは第2章 第1節 第1条の3「業務の範囲」に載っています。
ですが、そっちを見ても文章が難解すぎて正直読み取れないんですよね。。。 なので、噛み砕いて解説していきます。

話が長くなるので、先に今回の問題の答えを言っておきましょう。
正解(誤っているもの)は、選択肢ウ.です。

◎第1種旅行業の業務範囲
6つの旅行業務全てを取り扱える最上位種別です。その6つとは、
・海外の募集型企画旅行
・国内の募集型企画旅行
・海外の受注型企画旅行
・国内の受注型企画旅行
・海外の手配旅行
・国内の手配旅行
厳密に言えば、旅行業者の営業行為にはこの他にも、
・旅行に関する相談業務
・他社が実施する募集型企画旅行の代理締結(代理販売)
などがあります。

◎第2種旅行業の業務範囲
上記で述べたもののうち、
・海外の募集型企画旅行
だけが扱えません。それ以外は同じです。

◎第3種旅行業の業務範囲
・海外の募集型企画旅行
・国内の募集型企画旅行
が扱えません。というのが"昔の"第3種旅行業でした。現在は法改正され、
・地域限定旅行業が取り扱える(同等の)国内募集型企画旅行(後述します)ならOK
と制限緩和されました。

◎地域限定旅行業の業務範囲
まず最初に、文字通り地域(エリア)が限定されています。
・その営業所の所在地
・それに隣接する市町村
・または観光庁長官が別途定めた地域内
に完結(出発地・目的地・宿泊地・帰着地)するという条件を満たした上で、
・国内の募集型企画旅行
・国内の受注型企画旅行
・国内の手配旅行
が扱えます。当然ですが海外には出られません。

◎第2種旅行業は募集型企画旅行を取り扱えない?
意外とよく出題されます。
先ほどの解説を見れば一目瞭然ですね。扱えないのは「海外の募集型企画旅行」だけで国内版はOKです。
よって、この出題パターンはミスリード(引っ掛け)です。注意しましょう。

◎第3種旅行業は募集型企画旅行を取り扱えない?
先述した通り、"かつては正しい"内容でした。現在は(平成24年に地域限定旅行業が創設された法改正以降は)少し緩和されたので、この限りではありません。

◎第2種・第3種は海外旅行を取り扱えない?
引っ掛けの亜種ですね。旅行=募集型企画旅行 のイメージで短絡勘違いしてしまうとこの罠に嵌ります。
「海外の受注型企画旅行」「海外の手配旅行」は取り扱えるのです。よって、今回の問題の選択肢ウ.は"誤り"です。

◎さすがに「地域限定旅行業は海外旅行を取り扱えない」ですよね?
これも厳密に言えば違うと思います。なぜなら、
・旅行に関する相談業務
・他社が実施する募集型企画旅行の代理締結(代理販売)
は地域限定旅行業でも行え、これらの中身に国内外の区別が無いからです。
ただ、この2つを"海外旅行の取り扱い"と呼ぶかどうかは解釈が分かれます(もし出題したら物議を醸しそう)。なので、この問題(地域限定旅行業は海外旅行を取り扱えない?)の出題は避けられると考えてもよいでしょう。

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