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【過去問解説】 標準旅行業約款「団体・グループ手配」 (令和3年出題)

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企業や一般の団体・グループが幹事さんを通じて申し込んでくるのが「団体・グループ手配」です。
貸切バスの申込であったり、ホテルの団体予約であったり、日常的によく見られるケースですね。

令和3年 約款 問題1(19) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
手配旅行契約の部「団体・グループ手配」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、特約を結んだ場合を除き、契約責任者は構成者の手配旅行契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなし、当該団体・グループに係る旅行業務に関する取引は、当該契約責任者との間で行う。
b.契約責任者は、旅行業者が定める日までに、構成者の名簿を旅行業者に提出し、又は人数を旅行業者に通知しなければならない。
c.旅行業者は、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、何らの責任を負うものではない。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c
選択肢ウ. b,c
選択肢エ. a,b,c

 

 

「団体・グループ手配」には必ず出てくる用語があるので、まずそれを確認しておきましょう。
契約責任者 ・・・ 一般で言うところの幹事さんに相当し、旅行業者に申し込んできた代表者を指します
構成者 ・・・ 該当する団体またはグループの旅行に参加するメンバーのことを指します。

この問題ではaから順番に正誤を見ていきましょう。

まず、aは"正しい"です。
旅行業者と該当する団体・グループにおける契約締結の際には、実際に申し込んできた契約責任者(幹事さん)のほかには誰も登場しません。
必然的に契約締結を含めた一切合切の取引はこの契約責任者を相手に行うしかありません。当然ながら契約責任者は一切の代理権を有しているという判断になります。

bも"正しい"です。
さすがに構成者の人数通知も何もなければ手配の上で困るでしょうからこれはあり得ないとして、一般的には名簿提出を行うのが無難です。
例えば航空券手配を伴う場合であれば逆に名簿提出は必須ですし、宿泊施設であれば部屋割り(部屋数確保)において氏名以外に性別や年齢などの情報を参考にするケースもあります。

cも”正しい”です。
ここで言う「債務又は義務」の具体的な例としては、例えば構成者に対しての情報伝達(行程や旅行サービス内容)であったり、構成者からの旅行代金集金(まとめて旅行業者へ支払)などが挙げられます。こういった実務は旅行業者が代行するわけではなく契約責任者(幹事さん)の務めですね。

以上によりこの問題の正解(正しいものの組み合わせ)は選択肢エ.(a,b,c)となります。

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