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【過去問解説】 標準旅行業約款「旅行業者の責任」 (令和3年出題)

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「旅行業者の責任」で取り扱っているのは、主に賠償や補償についての話です。
職務に関する事柄(旅程管理とか)は"債務"であって"責任"ではありません。

令和3年 約款 問題1(11) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「旅行業者の責任」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者は、契約の履行に当たって、旅行業者の故意又は過失により旅行者に損害(手荷物について生じた損害を除く。)を与えたときは、損害発生の翌日から起算して2年以内に当該旅行業者に対して通知があったときに限り、その損害を賠償する責に任じる。

選択肢イ.
旅行者が自由行動中に被った損害については、旅行業者の故意又は過失によるものであっても、当該旅行業者はその損害を賠償する責任を負わない。

選択肢ウ.
旅行者が旅行業者又は手配代行者の関与し得ない事由により損害を被ったときは、旅行業者又は手配代行者の故意又は過失による場合を除き、旅行業者は、その損害を賠償する責任を負わない。

選択肢エ.
旅行業者は、旅行業者の過失により旅行者の手荷物に損害を与えたときは、国内旅行にあっては損害発生の翌日から起算して14日以内に旅行業者に対して通知があったときに限り、旅行者1名につき15万円を限度(旅行業者に故意又は重大な過失がある場合を除く。)として賠償する。

 

 

「旅行業者の責任」は約款(標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部)第27条に出てきます。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。

「旅行業者の故意又は過失によるものであっても」責任を負わない、と言い切っているので、この文面が誤りであることは大方予想が付くかと思います。
実際その通り(賠償責任はある)で、自由行動中かどうかの区別はありません。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.は「損害発生の翌日から起算して2年以内に当該旅行業者に対して通知があったときに限り」を含めて正しい内容です。
つまり、2年経過してしまうと"時効"の扱いとなります。
手荷物の場合は別の規定がある(選択肢エ.で後述)ので、2年ルールには当てはまりません。

選択肢ウ.も"正しい"です。
「旅行業者又は手配代行者の関与し得ない事由」には具体的には、
・天災地変、戦乱、暴動
・運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止
・官公署の命令
などがあり、これらによる損害は基本的に賠償の対象外です。

選択肢エ.も"正しい"です。
手荷物に対する賠償では、先述した通り"2年ルール"は適用されません。
・国内旅行の場合は損害発生の翌日から起算して14日以内に通知
・海外旅行の場合は損害発生の翌日から起算して21日以内に通知
・旅行者1名につき15万円まで(故意又は重大な過失の場合はこの限りでない)

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