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【過去問解説】 標準旅行業約款「特別補償規程」その1 (令和3年出題)

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特別補償規程も近年よく出題される(しかも複数問出ることもある)題材の一つです。
日数や金額が問われることもあり複雑ですが、過去問学習で慣れておきましょう。

令和3年 約款 問題1(16) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部及び受注型企画旅行契約の部「特別補償」「特別補償規程」に関する次の記述から、誤っているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、その賠償責任が生じる場合に限り、特別補償規程で定めるところにより、旅行者が企画旅行参加中にその生命、身体又は手荷物の上に被った一定の損害について、あらかじめ定める額の補償金及び見舞金を支払う。
b.企画旅行に参加した旅行者が、旅行終了地たる空港での解散の後、乗車したタクシーの追突事故により身体に傷害を被り、その治療のため10日間入院した場合、旅行業者は、当該旅行者に特別補償規程で定める入院見舞金を支払う。
c.A社の実施する本邦内の企画旅行に参加した旅行者が、自由行動中にB社が企画・実施する日帰りの募集型企画旅行に参加し、その参加中にバス事故で死亡したときは、当該旅行者の法定相続人にA社とB社から、特別補償規程の定めにより、それぞれ1,500万円の死亡補償金が支払われる。
d.旅行者が企画旅行参加中、事故により傷害を被り、その直接の結果として、事故の日から180日を超えてなお治療を要する状態にあるときは、旅行業者は、事故の日から181日目における医師の診断に基づき後遺障害の程度を認定して、特別補償規程で定める後遺障害補償金を支払う。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. c,d
選択肢ウ. a,b,c
選択肢エ. a,b,c,d

 

 

"誤っているもの"の組み合わせを選ばせる珍しい問題ですね。
先に言っておきますが、"正しいもの"を選んでしまうと違う選択肢になってしまうので注意しましょう。

まず、aですが、これは"誤り"です。
一見するとごく当たり前のことが述べられており、正しいように思えてしまうのですが、
(誤)その賠償責任が生じる場合に限り
(正)責任が生ずるか否かを問わず
の箇所が間違っています。

bも"誤り"です。
では、なぜこれに対して入院見舞金が支払われないのかといえば「企画旅行参加中」ではないからです。
特別補償は「企画旅行参加中」の損害について適用されますが、bのケースでは"旅行終了地たる空港での解散の後"の事故であり、参加中に発生したとはみなされません。

一方で、cは"正しい"です。
"自由行動中"である点が迷わせポイントですが、企画旅行行程の中での自由行動であれば、それは「企画旅行参加中」です。
この場合、A社は事故に直接関与していないようにも見えますが、aで述べた通り、自社の責任有無には関係ないのでB社だけでなくA社からも支払われます。

dも"正しい"です。
後遺障害補償金は元々事故の日から180日以内に後遺障害が発生した場合に支払われる規定になっていますが、
・事故の日から180日を超えてなお治療を要する状態にある
・事故の日から181日目における医師の診断に基づき認定
となったケースについても後遺障害であると認められます。

以上によりこの問題の正解(誤っているものの組み合わせ)は選択肢ア.(a,b)となります。

先に述べた通り、よくあるパターンで正しいものの組み合わせを選んでしまうと選択肢イ.(c,d)と誤答してしまうので要注意ですね。

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