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【過去問解説】 旅行業法「企画旅行の円滑な実施のための措置」 (令和3年出題)

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「企画旅行の円滑な実施のための措置」とありますが、内容は旅程管理に関する事項です。
手配・予約から旅行中の状況把握・異常時対応まで旅行業者等がやらなければいけないことは多岐に渡ります。

令和3年 法令 問題(16) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、本邦内の旅行であって、契約の締結の前に旅行者に対し、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は、旅行地における企画旅行の円滑な実施のための措置を講じることを要しない。
b.旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために、旅行の開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
c.旅行業者は、本邦内の旅行にあっては、旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示をすることを要しない。
d.旅行業者は、参加する旅行者の募集をすることにより実施する旅行についてのみ、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講じなければならない。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c,d
選択肢ウ. b,c,d
選択肢エ. a,b,c,d

 

 

「企画旅行の円滑な実施のための措置」は旅行業法第12条の10に記載されています。
ただし、実際そこの条文には、「当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない」と書いてあるだけで具体的な内容には触れられていません。
詳しい中身については旅行業法施行規則の 第2章 第1節 第32条 「旅程管理のための措置」を参照しましょう。

まず、aについてですが、これは条件付きで"正しい"です。
本来は「旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置」をしなければいけない、とされているのですが、
・国内旅行であること
・契約前に旅程管理措置を行わない旨を説明していること
・旅行サービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付していること
を満たす場合に限り、該当の旅程管理業務が免除されているのです。

bも"正しい"です。
これは先ほどのaとは違って必ず行わなければいけないこととされており、除外規定はありません。

一方で、cは"誤り"です。
これも旅行業法施行規則「旅程管理のための措置」の中において"しなければいけないこと"として定められており、除外規定もありません。
常識的に考えても複数者(複数グループ)が同行する行程において集合時間や集合場所が示されないのは不自然であり、これを"要しない"と言い切るのは無理があります。

dも"誤り"です。
旅程管理義務が生じるのは募集型企画旅行だけでなく、受注型企画旅行においても同様です。
旅程管理業務が発生しないのは手配旅行においてです。

以上によりこの問題の正解(正しいものの組み合わせ)は選択肢ア.(a,b)となります。

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