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【過去問解説】 標準旅行業約款「受注型企画旅行契約の部」 (令和3年出題)

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受注型企画旅行はオーダーメードで日程・行程を組み立てる企画旅行です。
いかに依頼者の要求に応えられるか企画者の力量が試され、やりがいを感じますね。

令和3年 約款 問題1(13) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
受注型企画旅行契約の部に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者は、旅行者の求めにより契約内容を変更した結果、旅行の実施に要する費用の増加が生じる場合には、当該費用の増加が運送・宿泊機関等が旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず、運送・宿泊機関等の座席、部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除き、当該変更のため旅行者が提供を受けなかった旅行サービスに対して支払った取消料、違約料等を含め、当該契約内容の変更の際にその費用の増加の範囲内において旅行代金を増額することがある。

選択肢イ.
企画書面に記載された企画の内容に関し、旅行業者に通信契約の申込みをしようとする旅行者は、会員番号その他の事項を旅行業者に通知しなければならない。

選択肢ウ.
「受注型企画旅行」とは、旅行業者が、旅行者からの依頼により、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が旅行業者に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し、これにより実施する旅行をいう。

選択肢エ.
旅行業者は、国内旅行において、企画書面に旅行代金の内訳として企画料金の金額を明示した場合は、当該金額を契約書面に記載していなくても、旅行者が旅行開始日の前日から起算してさかのぼって30日目に当たる日に契約を解除したときは、当該企画料金に相当する金額の取消料を収受することができる。

 

 

今回は受注型企画旅行に関する問題です。約款を参照する方は「標準旅行業約款 受注型企画旅行の部」で検索しましょう。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢エ.です。

受注型企画旅行の契約解除において特徴的なのは、「企画料金に相当する金額の取消料を収受することができる」ことです。
ただし、
・企画書面に旅行代金の内訳として企画料金の金額を明示
・契約書面においても企画料金の金額を明示
が条件です。よって、エ.の設問文では契約書面の方に記載していなかったので収受できません。
ちなみに、「旅行開始日の前日から起算してさかのぼって30日目に当たる日に契約を解除」の箇所自体は合っています。
企画料金に相当する取消料は(前述した2つの条件を満たしていれば)何日前であっても収受が可能です。ただし、20日前以降になると今度は取消料に"旅行代金の一部"(料率)が適用されてしまうので、企画料金=取消料ではなくなってしまいます。逆に、30日前であれば企画料金=取消料のはずでした。(くどいですが、契約書面に記載していないのでこのケースでは収受できません)

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.については、約款第13条「契約内容の変更」と第14条「旅行代金の額の変更」の第4項が適用されます。
なお、「運送・宿泊機関等が旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず、運送・宿泊機関等の座席、部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除き」とあるのは、運送・宿泊機関等による過剰予約受付(オーバーブッキング)が発生した場合を指しています。変更補償金が支払われるような状況であり、このケースではさすがに旅行代金の増額ができなくしてあります。

選択肢イ.の文面は、約款第6条「契約の申込み」の中で規定されています。
申込書と申込金を提出する代わりに「会員番号その他の事項」を通知することにより、クレジットカード決済により申込金支払が行われます。

選択肢ウ.は、約款第2条「用語の定義」にある「受注型企画旅行」の説明通りです。

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