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【過去問解説】 標準旅行業約款「旅行者の責任」 (令和3年出題)

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旅行代金を支払って参加しているとはいえ、旅行者も鷹揚な態度でいるわけにはいきません。
皆で円滑な旅行を楽しむために心掛けなければならないこともあります。

令和3年 約款 問題1(12) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「旅行者の責任」に関する次の記述から、誤っているもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行者の故意又は過失により旅行業者が損害を被ったときは、当該旅行者は、旅行業者に対し支払った旅行代金の額を限度として損害を賠償しなければならない。
b.旅行者は、契約を締結するに際しては、旅行業者から提供された情報を活用し、旅行者の権利義務その他の契約の内容について理解するよう努めなければならない。
c.旅行者は、旅行開始後において、契約書面に記載された旅行サービスを円滑に受領するため、万が一契約書面と異なる旅行サービスが提供されたと認識したときは、旅行終了後速やかにその旨を旅行業者に申し出なければならない。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c
選択肢ウ. b,c
選択肢エ. a,b,c

 

 

「旅行者の責任」は約款(標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部)第30条に記載されています。

この問題では設問文aから順番に正否を見ていきましょう。

まず、aは"誤り"です。
旅行者の故意または過失によって、旅行業者に損害を与えた場合は確かに損害を賠償しなければいけません。ここまでは合っています。
ただ、その額に限度があるという点が間違っています。支払った旅行代金の額までなどという規定はなく、いわば限度額は無いのです。
一般的な通例と同じですね。旅行中と言えども気を抜かず節度を保ちましょう。

一方で、bは"正しい"です。
これは規定通りの内容で、あらかじめパンフレットや契約書面記載事項などから得られる情報はきちんと前もって目を通して把握しておかなければいけません。黙って添乗員についていけばよいというものではないのです。
そうでないと、このあとcで触れるような"契約内容と異なる旅行サービス"に気付くこともできません。

続いてのcは"誤り"です。aと同じく半分は合っています。
先ほどbで述べた通り、旅行者側も旅行サービスの内容を事前に理解しておく必要があります。その上で、契約内容と異なる旅行サービスであった場合はその旨を指摘しなければいけません。ですが、「旅行終了後速やかに」は間違っています。ゆえにcは"誤り"です。
正しくは「旅行地において速やかに」です。指摘する相手は旅行業者でも手配代行者でも該当する旅行サービスの提供者(つまり間違った旅行サービスを行った相手)でも構いません。

以上によって、この問題の正解(誤っているものの組み合わせ)は選択肢イ.(a,c)となります。

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