【過去問解説】 三平汁ほか (令和3年出題)
"愛称付き"空港問題も4問目となりました。
今回はその都道府県の郷土料理と組み合わせた出題になっています。
令和3年 国内実務 問題6(4) 配点2点/100点
次の文章を読み、以下の設問について該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
(注)作問の都合上、各空港の愛称名における所在地は省略している。
(例:出雲縁結び空港 → 縁結び空港)
国内の空港には、地域の特徴を印象付け人々に親しまれやすくすることなどを目的として、ユニークな愛称をつけたものも多い。
縁結びの神様で知られる(a)出雲大社に近いことから"縁結び空港"の愛称を持つ出雲空港や、タンチョウの生息する地域にふさわしく"たんちょう空港"の愛称をもつ A 空港など、地域を代表する観光資源を表した愛称も多い。
他にも、地域にゆかりのある昔話にちなんだ(b)"桃太郎空港"や、この地域の方言で「新鮮な」を意味し地元の海産物をイメージさせる(c)"きときと空港"、地域の有名な祭りにちなんだ(d)"阿波おどり空港"など、ユニークな愛称は地域の観光資源を印象付けるのにも役立っている。
◎問題
下線(c)と同じ都道府県の郷土料理として最も適当なものは、次のうちどれか。
選択肢ア. 三平汁
選択肢イ. いちご煮
選択肢ウ. へぎそば
選択肢エ. ます寿し
正解は選択肢エ.のます寿し(ますずし)です。
この問題では選択肢の郷土料理がそれぞれどの都道府県かわかっても、肝心の"愛称付き"空港がどこなのか迷った方もいらっしゃったことでしょう。
"新鮮な海産物をイメージ"がわかってもア~エいずれも該当するし・・・ 結局は最初から"きときと"空港がどこなのか知っていなければ解けないのです。
さて、その"きときと"空港とは富山県の富山空港のことを指しています。知らなかった方は残念ですが今回覚えましょう。
富山空港は北陸新幹線開業により空路の優位性は多少失われたものの、市内や近辺からのアクセスもよく、周辺観光地にも恵まれています。
また、空港そのものの特徴としては、日本で唯一河川敷(神通川)に滑走路が存在する空港でもあります。
ます寿司は富山県の名物ですが、駅弁などで古くから知られており、こちらはすぐにわかった方も多いでしょう。
木製の曲物(わっぱ)の底に笹を敷き、その上に塩漬けした鱒を並べた上で酢飯を詰めて重石で固めた押し寿司(早ずし)の一種です。
近年ではおにぎり風のます寿司をスーパーやコンビニで見かける機会も多くなり、より認知されるようになりました。
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選択肢ア.の三平汁(さんぺいじる)は北海道の郷土料理です。
出汁は昆布、具材には鮭やニシン、タラなど塩引きまたはぬか漬けした魚や大根、ニンジン、ジャガイモなどを用います。
同じく北海道を代表する石狩鍋と少し似ていますが、こちらは塩汁である点が味噌仕立ての石狩鍋とは異なります。
選択肢イ.のいちご煮(いちごに)は、岩手を含めた三陸海岸沿いでも味わえますが、本家は青森県の八戸市とも言われます。
ウニとアワビを用いた潮汁で高級感があり、ハレの日の食材としても用いられます。
"いちご"と言っても果物のそれではなく、朝もやに霞む野いちごの姿のように見えたことがこの名前の由来になっています。
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選択肢ウ.のへぎそばは、新潟県の魚沼地区が発祥のそぼ料理の一種です。
そばのつなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使っているのが特徴で、"へぎ"は供されるときに用いる独特の器から名付けられたものです。
ゆえに面白い話では、持ち帰りの場合(器を用いない)はへぎそばと呼ばず布海苔そばというのだそうです。