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【過去問解説】 標準旅行業約款「旅行代金の払戻し」 (令和3年出題)

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申し込んだ旅行が契約解除になった場合、料金の改訂などにより返金が発生した場合、行程中の旅行サービスの一部が取り止めになった場合など旅行代金の一部が戻ってくるケースがあります。ただ、手続の都合上からかすぐに戻ってくるわけではなさそうですね。そんな内容の問題です。

令和3年 約款 問題1(9) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「旅行代金の払戻し」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
(選択肢ア.イ.ウ.は、通信契約でないものとする。)。

選択肢ア.
旅行業者の関与し得ない事由により、旅行開始前に契約内容を変更した場合において、旅行代金を減額したとき、旅行業者は、契約内容の変更が発生した日から起算して30日以内に旅行者に対し当該金額を払い戻さなければならない。

選択肢イ.
官公署の命令により、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となったため、旅行開始前に、旅行業者が契約を解除した場合において、旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは、旅行業者は、解除の翌日から起算して7日以内に旅行者に旅行代金を払い戻す。

選択肢ウ.
旅行開始後、旅行地において集中豪雨が発生して旅行の継続が不可能となったため、旅行業者が契約内容を変更して旅行日程を短縮したことにより、旅行代金が減額された場合において、旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは、旅行業者は、契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して30日以内に当該減額した金額を旅行者に払い戻す。

選択肢エ.
旅行業者は、旅行者と通信契約を締結した場合であって、旅行者の都合により当該通信契約が解除された場合において、旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは、当該旅行業者が提携するクレジットカード会社のカード会員規約に従って、当該旅行者に当該金額を払い戻す。

 

 

「旅行代金の払戻し」は約款(標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部)第19条に出てきます。

この問題では解説の都合上、順番を入れ替えて説明していきます。

まず、選択肢エ.ですがこれは"正しい"です。
通信契約(クレジットカード利用)での支払いなので、返金についてもクレジットカード会社経由になりますね。これは旅行代金に限った話ではなく、一般的なので間違えることはあまりないかと思います、

続いて取り上げたいのは選択肢イ.です。
これは旅行開始前に発生した契約解除のケースで、「解除の翌日から起算して7日以内に払い戻し」というので合っています。
契約解除に至った理由は特に関係ありません。

次は選択肢ウ.を見てみます。
こちらは旅行開始後の契約解除です。実際に旅行に出発した後では"発生日基準"ではなく、「旅行終了日の翌日から起算」であることに注目しましょう。
日数は30日以内で合っています。よってこれも規定通りの正しい内容です。

最後に選択肢ア.です。実はこの選択肢が"誤り"(つまりはこの問題における正解)です。
これは旅行代金の減額のパターンです。"契約解除"ではない(実際にはこの旅行に行っている)点に注意しましょう。
この場合は、
・起算日は発生日基準ではない(旅行終了日の翌日から起算)
・日数は30日以内
となります。つまり、選択肢ウ.の旅行開始後の契約解除と同じ取り扱いです。

まとめると、
・旅行開始前の契約解除 ・・・ 発生日基準(契約解除の翌日から起算)、7日以内
・旅行開始後の契約解除 ・・・ 旅行終了日基準(旅行終了日の翌日から起算)、30日以内
・単なる減額(契約解除していない) ・・・ 旅行終了日基準(旅行終了日の翌日から起算)、30日以内
となります。

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