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【過去問解説】 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」 (令和3年出題)

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この問題は令和3年度試験での出題ですが、もし今年(令和4年度)であればもっと注目度が増えていたのでしょうか。
西九州新幹線開業により九州・長崎向けの観光が賑わっていることを願います。

令和3年 国内実務 問題7(2) 配点2点/100点

日本国内における世界遺産ラムサール条約・国立公園に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
世界文化遺産長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に含まれる構成資産として正しいもののみをすべて選んでいるものは、次のうちどれか。

a.大浦天主堂
b.出島
c.原城
d.松浦史料博物館

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c
選択肢ウ. b,c,d
選択肢エ. a,b,c,d

 

 

世界文化遺産長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、五島列島を含めた長崎県熊本県天草市のエリアに展開します。
この問題のaからdはいずれもこの地域に存在し、単に地理的知識だけでは解けない良問でした。

まず、a.の大浦天主堂(おおうらてんしゅどう)は長崎市にあります。
国宝にも指定されたカトリックの教会で、建てられたのは1864年(江戸時代末期)になります。
正式名称を「日本二十六聖殉教者聖堂」と呼び、キリシタン禁教令の時代に長崎で処刑された26名の殉教者に捧げるために建てられた聖堂で、ゆえにこの世界遺産の構成資産の中でも象徴的な存在であると言えます。

b.の出島(でじま)は同じく長崎市内にありますが、この世界遺産には含まれません。
元々は文字通りの島(人工島)でしたが、その後周囲が埋め立てられたことにより、現在は島の姿は留めていません。
江戸幕府の対外政策により、ポルトガルやオランダ相手の交易のために設けられ、復元整備により今も当時の景観が楽しめます。

c.の原城跡(はらじょうあと)は、島原半島長崎県南島原市にあります。
1637年の「島原の乱」が有名です。キリシタン弾圧がきっかけとなった農民一揆から、やがて天草地区の軍勢も合流し、天草四郎を総大将とする原城での籠城戦に発展しました。原城跡はこの世界遺産の構成資産の一つです。

d.の松浦史料博物館(まつうらしりょうはくぶつかん)は長崎県平戸市にあります。
ややこしいのですが、この場合「松浦」はこの博物館の建物を元々所有していた松浦家のことで、地名の松浦市のことではありません。
松浦家はかつての平戸藩主で、この建物も平戸市にあり、平戸の歴史について展示しているのがこの資料博物館なのです。
平戸には「平戸島の聖地と集落」があり、そちらは構成資産ですが、松浦資料博物館の方は含まれません。

以上により、この問題の正解(該当世界遺産に含まれるもの)は選択肢イ.(a,c)となります。

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