【過去問解説】 世界自然遺産「白神山地」 (令和3年出題)
近年は日本にも世界遺産やラムサール条約登録地が増え、観光で訪れる方も多くなりました。
単に美しい、歴史がある、だけでなく、なぜその地が選ばれたのかなどいろいろ見てみると意外な発見があったりもします。
令和3年 国内実務 問題7(1) 配点2点/100点
日本国内における世界遺産・ラムサール条約・国立公園に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
世界自然遺産「白神山地」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢ア.
1993年、日本で初の「世界自然遺産」に登録された。
選択肢イ.
青森県南西部と岩手県北西部にまたがる約13万haの広大な山地帯で構成されている。
選択肢ウ.
東アジア最大級のブナ天然林が分布し、クマゲラをはじめとした多様な動物が生息している。
選択肢エ.
人気の散策コースのひとつに「暗門渓谷ルート」がある。
正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。
白神山地がまたがるのは、青森県・岩手県ではなく、青森県・秋田県です。
青森県側からのアプローチとしては、青森空港・新幹線新青森駅・JR弘前駅などが挙げられ、弘前市で言えば概ね南西方向に当たります。
一方で秋田県側からは、大舘能代空港・秋田空港・秋田新幹線・秋田自動車道などが入り口となり、秋田市からは北方向に向かいます。
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これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。
選択肢ア.については、日本で初の世界遺産というのがキーワードです。
世界遺産が最初に登録されたのは1978年(ガラパゴス諸島ほか)ですが、日本では1993年になって初めての登録が行われました。
この年には白神山地の他に、
・法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
・屋久島(鹿児島県)
・姫路城(兵庫県)
も選ばれています。
選択肢ウ.も"正しい"です。
白神山地と言えば「ブナの原生林」と言われるほどで世界有数の自然生態系が残っていることで知られています。
動物ではクマゲラが真っ先に挙げられるほか、イヌワシやカモシカ、ツキノワグマなども生息し、希少生物の生存圏にもなっています。
選択肢エ.にある「暗門渓谷ルート」は、白神山地の魅力を気軽に楽しめるトレッキングコースの一つです。
途中に3箇所の滝があり、ブナの林に囲まれた川沿いを進む行程になっています。
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