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【過去問解説】 旅行業法「旅程管理業務を行う者」 (令和3年出題)

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企画旅行に参加する旅行者に同行して旅程管理業務を行う者、つまり添乗員(ツアーコンダクター)を目指す方もいらっしゃるかと思います。
この問題では主にその者の資格(研修)について触れています。

令和3年 法令 問題(17) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅程管理業務を行う者のうち主任の者に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、過去に旅行業務に関し不正な行為をした者を、いかなる場合も旅程管理業務を行う主任の者に選任することはできない。
b.旅程管理業務を行う主任の者に必要な実務の経験は、登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了した日から1年以内に1回以上の旅程管理業務に従事した経験に限られる。
c.本邦外の企画旅行に関して旅程管理業務を行う主任の者に選任されるために必要な実務の経験には、本邦内の企画旅行に同行して旅程管理業務に従事した経験は含まれない。
d.旅程管理業務を行う主任の者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなされる。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. c,d
選択肢ウ. a,b,d
選択肢エ. a,b,c,d

 

 

「旅程管理業務を行う者」は旅行業法第12条の11に記載されています。
また、実務の経験など詳しい内容については旅行業法施行規則(第2章 第1節 第33条)にまとめられていますのでそちらを参照しましょう。

まず、aは"誤り"です。
「過去に旅行業務に関し不正な行為をした者」はどこかで見たことがある表現ですね。「旅行業者の登録の拒否」に出てきた登録拒否要件の一つです。
ただし、この先ずっとというわけではなく5年経過した後であれば不問となります。旅程管理業務を行う主任の者についても同じです。
つまり、5年以上前の不正行為であれば、法令上で旅程管理業務を行う主任の者の登録に支障は無いという話になります。

bも"誤り"です。
旅行業施行規則の方にこの規定が載っており、
・研修の課程を修了した日の前後一年以内に一回以上
・研修の課程を修了した日から三年以内に二回以上
の従事経験いずれかとなっています。
しかも前者については「研修前後の」となっている点に注目しましょう。必ずしも研修を受けてから従事経験をつまなければいけないのではなく、従事経験を受けてから(1年以内ですが)研修をうけてもよいことになっているのです。

対してcは"正しい"です。
これは普通に考えても当たり前そうですが、海外の企画旅行に同行するに当たり、国内の実務経験だけでは足りなさそうです。
実際、旅行業法施行規則の中でも「本邦外の企画旅行に参加する旅行者に同行する者にあつては、本邦外の旅行に関する旅程管理業務に限る」と明記されています。

dも"正しい"です。
これは、指導教官が添乗員役を務める"研修ツアー"に参加することで、該当する地域の実務経験を得られるというありがたい制度です。
実際に(本物の)企画旅行に参加する方法だけでは機会も人数も限られますが、こういった"研修ツアー"を設けることで門戸を拡げているのです。

以上によりこの問題の正解(正しいものの組み合わせ)は選択肢イ.(c,d)となります。

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