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【過去問解説】 旅行業法「旅程管理業務を行う者」 (令和4年出題)

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「旅程管理業務」は広義では、営業所内で行う仕事も含まれます(手配・変更対応他)が、この問題で指すところの「旅程管理業務を行う者」は、企画旅行に参加する旅行者に同行して該当業務を行う者、いわゆる添乗員のことを表しています。

令和4年 法令 問題(19) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅程管理業務を行う者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
企画旅行に参加する旅行者に同行して、旅程管理業務を行う者として旅行業者によって選任される者が複数の場合は、当該同行する者のすべてが旅程管理業務を行う主任の者の資格要件を満たす者でなければならない。

選択肢イ.
国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験とは、登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了した日の前後3年以内に2回以上の旅程管理業務に従事した経験をいう。

選択肢ウ.
旅行業者は、いかなる場合も未成年者を旅程管理業務を行う主任の者として選任することができない。

選択肢エ.
旅行業者によって選任された旅程管理業務を行う主任の者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなされる。

 

 

企画旅行に添乗員が同行する場合、その全てが同格とは限らず、うち一人は「旅程管理業務を行う主任の者」である必要があります。
これは単なる任命(選任)ではなく、定められた資格制度となっており、
・指定の研修を受けること
・一定の実務経験があること
が条件となっています。

これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。

まず、選択肢ア.は"誤り"です。
前述した通り、複数の添乗員がいる場合、少なくても一人は有資格者(主任の者)である必要がありますが、全員ではありません。
もし仮に、最初から全員が主任でなければならないとするなら、そうでない者の実務経験とやらは一体どこで得ることになるのでしょう? と考えるとわかるかと思います。
(実際には実務経験手段は他にもあるのですが。後述します。)

続いて、選択肢イ.も"誤り"です。
「旅程管理業務を行う者」は旅行業法第12条の11に出てきますが、そこには詳細が載っていないので「旅行業法施行規則」を参照します。場所は第二章 第一節 第33条のところです。
・研修の課程を修了した日の前後1年以内に1回以上
・研修の課程を修了した日から3年以内に2回以上
のどちらかが実務経験のクリアラインであり、選択肢イ.では2つの条件が混ぜこぜになっています。ちなみに後者は研修後のカウントですが、前者は研修前でも構わないので、先に実務経験を得ておいてから研修に参加する手もあります。

選択肢ウ.も"誤り"です。
未成年者等の年齢条件はどこにも書かれていません。実際には研修や実務経験を経る必要があるので、高卒採用後すぐでの主任資格はなかなか大変ですが、決して無理な話ではありません。

ということで、最後に残った選択肢エ.が正しく、この問題の正解でもあります。

実務経験を得る機会には、実際の企画旅行に同行する(主任の者が別に居るので、補助や見習い等の形で参加する)方法もありますが、より効率的な方法としては、当該実習を目的とした専用の"研修ツアー"に参加するという手段があり、規定でもこれを前者と同じカウントとしています。
これは有資格者が講師(=そのツアーの添乗員役)を務め、受講者は旅行者の立ち位置で講師の行動を見たり、ときに直接指導を受けるものです。この方法には、
・一度に多くの受講者が参加できる
・より中身の濃い受け答えができ、実習に専念できる
・目的地やコースを自由に設定できる
等々の利点があります。

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