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令和4年過去問解説 全問対応しました 「趣味は旅行です」から1ランク上を目指す方へ!

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惜別! フルムーン夫婦グリーンパス

9月1日と言えば、毎年のJR「フルムーン夫婦グリーンパス」の発売日。でも今年は違うニュースが飛び込んできました。
なんと、同切符は終売。つまり、今年の販売は無く、しかも二度と購入することはできないのです。

この切符のことをよくご存知でない方へちょっと解説。
初めて登場したのは1981年、まだJRではなく国鉄日本国有鉄道)だった時代です。日本全国の国鉄線(今でいうJR線)が乗り放題で、新幹線を含めた特急・急行のグリーン車やB寝台も利用できるといった大サービスの企画切符でした。
条件は夫婦(男女ペア)であり、合計年齢が88歳以上であること。5日間用、7日間用、12日間用の3種類があり、夫婦でゆったり旅行を楽しむ世代への需要喚起を狙ったものでした。

そこそこ需要はあったはずなんですが。。。 JR発表によれば「時代のニーズにそぐわず、近年の販売枚数は落ち込んでいた」だったんだそうです。
国鉄~JRをまたがって象徴的だった存在が、また1つ消えました。

 

 

今さらですが、あらためて考えてみれば、この切符には良かった点も残念な点もあったような気がします。

・JR線乗り放題
・新幹線や特急のグリーン車も利用可能 (少し引っ掛かる点があるので後述します)

この辺は間違いなく評価できるポイントでしょう。行先や列車種別にとらわれず、自由なプランが組めました。

下記は残念ポイント。アレ?意外と多いぞ。

「のぞみ」「みずほ」は利用できない。山陽新幹線はともかく、東海道新幹線では思ったより不自由。
・かつては開放式B寝台が利用でき、北斗星などの「デュエット」(B寝台個室)も特別にOKだった。現在は・・・当該列車そのものが全滅。
・夫婦(男女ペア)であることが大前提。切符は1枚で発行され、別々の単独行動は一切できない。
日数設定が最低5日間なので、過剰装備感を感じる方も。

背景には時代の流れって話も結構ありますね。婚姻率の低下(離婚率の増加)、共働きで長期の休みが取れない、のぞみ中心ダイヤ・寝台列車廃止 etc.

実のところ、私もついに利用機会を逸しました。
年齢条件はクリアしていたものの、現役世代にはやはり5日間設定は重荷です。

今後についてですが、何と言ってもJR6社共通設定販売なので、一度廃止されてしまった以上、復活は考えにくいでしょう。
同様に、別の形での新規企画乗車券の登場も望み薄と言わざるを得ません。

でも、
・乗り放題
グリーン車利用

は惜しいんですよね。JR四国の「四国グリーン紀行」など例が無いわけではないですが、全国展開はもう無理なんでしょうか。
先ほど挙げた欠点は解決策に裏返せます。

1人で利用できる新切符に置き換える。
・日数設定も3日程度以上で選べるようにする。
・その分「フルムーン」時代と比べて割高になってしまうのは止む無し。夫婦やシニアには割引できるようにすればよい。
・「のぞみ」問題もまあ止む無し。そこにこだわって先へ進めないよりはまし。

ニーズは絶対にあるはずなんだけどな。こっちの新切符にシニア世代が流れれば、青春18混雑も少しぐらいは解消するでしょう。
JR間の調整は難しいんでしょうね。(特に本州某社辺り) 
が、期待は捨てずにお待ちします。できましたらご一考ください。