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長崎へ! 西九州新幹線「かもめ」開業間近

この秋、九州に新しい新幹線路線が開業します。
長崎行きの西九州新幹線「かもめ」号。今日は1か月後に発車が迫ったこの列車を取り上げてみます。

既に先行リリースである程度の情報を得られているものの、1か月前となると指定席券の発売が始まりますので、いよいよ紙媒体である時刻表にもきちんと時刻が掲載されます。
とは言え、まだ特集ページ扱い。普通列車などの改正時刻は次号掲載です。

 

 

旅行業務有資格者としては、やはりJRの料金・営業規則関係の変更箇所が気になるところですね。
はやる気持ちで該当ページを開いてみましたが、案の定まだ現行のままでした。こいつは勇み足。

もっとも、特集ページにも新しい「かもめ」の主要駅間料金は載ってますし、だいたいの内容はわかります。
まずは概要からまとめてみましょう。

・今回の新幹線開業は、武雄温泉~長崎間の66.0キロ(営業キロだと69.6)。実は米原~京都間とほぼ同じ距離でしかない。
・博多~佐賀~武雄温泉間は在来線のまま。ここには「リレーかもめ」と称する接続特急が新設される。
・一部時間帯では「みどり」ハウステンボス」も「リレーかもめ」の代打として補完。
武雄温泉駅では、新幹線「かもめ」と在来線「リレーかもめ」が同一ホームの対面に停車し、平面乗り換え(中間改札も無い)が実現。
・このため、接続列車間の乗り換えは一律で3分に設定され、利便と時間短縮効果が図られる。

 


 

 

気になるのは時短効果と料金ですね。
博多~長崎間の例で言えば、現行が2時間前後、新幹線開業後は武雄温泉乗り換えを含めて1時間20分~30分前後。概ね30分短縮と言ったところでしょうか。
往復で考えると、現地滞在時間が1時間増える計算になります。

特急料金は、普通車指定席(通常期の場合、以降同様)で現行が2,730円。
これに対して新幹線開業後は・・・
博多~武雄温泉 1,730円
武雄温泉~長崎 2,290円
合計で4,020円?! となってしまうところ、特定特急料金的扱い(後述します)で3,190円に抑えられたので、まあ許容できるところかなと感じます。

この"特定特急料金的扱い"(正式名称は不明)には条件があって、
・「リレーかもめ」(みどり・ハウステンボス代打列車を含む)と新幹線「かもめ」の特急券を同時に購入し、1枚のきっぷとして発行。
武雄温泉駅乗り換え時には改札を出られない。もっとも乗り換え時間は3分しかないが、仮に1列車見送ったとしても同様。
を満たす場合に販売されます。

ちなみに、旅行業務取扱管理者試験の観点で一言添えておきますよ。
九州島内の新幹線には、いわゆる「乗継割引」制度はありません今回の開業でも(正式発表は無いけど)おそらく同じです。
上記の"特定特急料金的扱い"(仮称)はあくまで便宜的な措置であると思われます。

 

 

時間短縮 vs. 料金・乗り換え増 の対比で賛否両論あるそうですが、私は往来・観光の活性化に思いをはせるところです。
何より話題性は十分。地元でも大いに盛り上がっていると聞きます。

ただ、一つだけ気になっていることが。。。 長崎や嬉野温泉の関係者はともかく、武雄温泉ではどんな感じなんでしょうね。
乗り換え客は3分で去ってしまいます。下車観光(宿泊)どころか3分では物販にも寄与しないかも。
途中下車しても料金が跳ね上がらない仕組み、例えば「下車客には地元負担でクーポン類を発行してみる」なんてのも面白そうですね。
武雄温泉の奮闘に期待します。