がんばれ! 肥前鹿島(佐賀県鹿島市)
今日は西九州新幹線「かもめ」の開業日。既に一番列車は走った時刻ではあり、現地ではさぞ賑わっていることでしょう。
そんな特別な日ですが、あえて(ひねくれて?)この日にご紹介したい街があります。
それは「鹿島市」。ああ茨城県の"鹿島神宮"、"鹿島アントラーズ"のあるところ? 違いますよ。そちらは"鹿嶋市"です。
今回取り上げる佐賀県の市が元々"鹿島市"を名乗っており、後発となってしまった茨城県側の市は混同防止のため"山へん有り"の市名を選んだ経緯があります。
さて、なぜ鹿島市に注目するのがひねくれかと言えば、今日から扱いが少し下がってしまったからです。
・昨日まで
JR九州の長崎本線特急「かもめ」が多数走っており、博多・佐賀・長崎との往来も便利。
・今日から
西九州新幹線開業により、在来線特急の「かもめ」は廃止(別名の特急「かささぎ」が少数存続)。博多・佐賀はともかく長崎方面が大変不便に。
新幹線開業効果に沸く、武雄温泉・嬉野温泉とはまさに対照的です。いわゆる"並行在来線"問題の典型例ですね。
ですが、鹿島市もとてもよい街なんですよ。有名な観光どころで言えば「祐徳稲荷神社」や「肥前浜宿」があります。
祐徳稲荷神社は"日本三大稲荷"の一つにも数えられます(所説有ります)。日光東照宮の陽明門を模したと言われる楼門が象徴的で、そのため「鎮西日光」(ちんぜいにっこう)とも呼ばれ、少なくても九州内では大勢の方に知れ渡っています。
衣食住や生活全般の守護神であり、商売繁昌・家運繁栄・大漁満足・交通安全などカバー範囲が広いことが参詣客に人気の秘密かもしれませんね。
一方で、肥前浜宿は有明海沿いにある伝統的建造物の保存地区です。祐徳稲荷神社へのルート途中にあるためセットでの観光もおすすめです。
ポイントは「酒蔵通り」(さかぐらどおり)と「茅葺の町並み」(かやぶきのまちなみ)。前者は江戸時代から続く醸造業地域で、今でも白壁の建物や酒蔵が数多く残ります。もちろん現在でも地酒の試飲や購入がOKで、酒蔵見学もできます。茅葺の町並みは昔ながらの漁村集落で、茅葺き屋根の民家が3棟続きで残っている光景が目を惹きます。
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まあ元々JRで訪れる観光客ばかりとは限りませんので、一気に地盤沈下という心配もないのでしょうが、"別ルート"(新幹線のこと)に世間の注目が集まり、いずれこちらサイドは忘れられるのではないかというのが地元の懸念のようです。
先に述べた、鹿島市自体の魅力が変わることはありませんし、何ならこれを機会に新たな展開に踏み切ってもよいかと思います。
例えば、嬉野温泉とのタッグ(連携強化)。私もそう思ってあらためて調べてみたら・・・ あら? 既にいろいろあるんですね。例えば、地元の祐徳バスというバス会社が「観光循環バス」など手掛けている模様です。
いずれにせよ、西九州新幹線=長崎 のイメージが強すぎますが、よくよく見れば、鹿島市も嬉野温泉も武雄温泉も佐賀県です。もうちょっと力を入れてもいいのに、佐賀県。。。
未着工部分(新鳥栖~武雄温泉)をどうするか、ばかりが取りざたされますが、佐賀県全体の魅力が増してくればまたいつか違った見方も出てくるでしょう。