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【過去問解説】 旅行業法「旅行業務取扱管理者の選任」 (令和3年出題)

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"営業所ごとに1人おかなければいけない"旅行業務取扱管理者に関する出題です。
受験者の皆さんはこの資格の当事者なのですから落としたくない問題ですね。

令和3年 法令 問題(7) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
拠点区域内のもののみについて旅行業務を取り扱う地域限定旅行業者の営業所にあっては、地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者を当該営業所の旅行業務取扱管理者として選任することで足りる。

選択肢イ.
本邦外の手配旅行を取り扱う第3種旅行業者の営業所にあっては、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者を当該営業所の旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。

選択肢ウ.
本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の実施及びその他の本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う第2種旅行業者の営業所にあっては、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者を当該営業所の旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。

選択肢エ.
旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、5年ごとに旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、観光庁長官の指定する旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。

 

「旅行業務取扱管理者の選任」は旅行業法第11条の2に載っています。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢ウ.です。

・本邦内の募集型企画旅行の実施
・その他の本邦内の旅行業務の取り扱い
のみと明言しているのだから、総合旅行業務取扱管理者が必要と言っているのは明らかに変ですね。
登録種別(第2種かどうか)や企画旅行の取扱有無などはこの場合関係無く、本邦内の旅行だけなので国内旅行業務取扱管理者で十分事足ります。
ちなみに業務経歴(実務経験)も不問なので、本試験に合格した方であればこの設問の営業所で当該の職務に就ける可能性があります。がんばって勉強しましょう。


 

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.は地域限定旅行業者の場合の話ですね。
着地型旅行の促進、地域の観光資源の活用を目的にした地域限定旅行業の新設(平成24年)でしたが、当初は国内旅行業務取扱管理者の選任が必要でした。
その後の規制緩和で平成30年に付け加えられたのが、地域限定旅行業務取扱管理者試験です。これにより人的要件もハードルが下げられたので地域限定旅行業者の登録が少し楽になりました。

選択肢イ.も"正しい"です。
手配旅行だけであっても本邦外の旅行業務の取扱があるなら総合旅行業務取扱管理者が必要です。
登録種別(第3種かどうか)は全く関係ないのでそこに惑わされないようにしましょう。

選択肢エ.も"正しい"です。
ちなみに旅行業法本文(第11条の2 第7項)では旅行業務取扱管理者の研修について「3年以上5年以内において」と書かれており、一見すると「"5年ごと"とは書いていないので誤り」と判断してしまった方がいるかもしれません。
これは実は落とし穴で、よく見ると「国土交通省令で定める期間ごとに」とも書かれており、これに従って旅行業法施行規則を見てみると「法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間は、五年とする」という条文(第2章 第1節 第10条の6)が出てきます。よって「5年ごと」が正しいのです。

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【過去問解説】 気比の松原ほか (令和3年出題)

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日本は海に囲まれた国であり、風光明媚を売りにした海岸線観光地も多数存在します。
ロケーション(位置)と合わせて一通り覚えておきましょう。

令和3年 国内実務 問題5(7) 配点2点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
薩摩半島の西海岸に位置し、約47kmも続く砂丘で、白砂青松の海浜をいかした県立の海浜公園や「砂の祭典」でも知られる海岸は、次のうちどれか。

選択肢ア. 気比の松原
選択肢イ. 日南海岸
選択肢ウ. 吹上浜
選択肢エ. 弓ヶ浜

 

 

この問題の正解(当てはまるもの)は選択肢ウ.の吹上浜(ふきあげはま)です。
薩摩半島の西海岸というヒントでわかった方も多いことでしょう。鹿児島県のいちき串木野市日置市南さつま市の3市に渡って伸びる砂丘は国内一の長さを誇り、鳥取砂丘鳥取県)・中田島砂丘静岡県)とともに日本三大砂丘と呼ばれます。
「砂の祭典」は南さつま市で毎年ゴールデンウィーク(5月3日~5日頃)に開催されます。


 

選択肢ア.の気比の松原(けひのまつばら)は福井県敦賀市にあります。
こちらは日本三大松原(佐賀県虹の松原・静岡県三保の松原)の一つで、敦賀市街からも近い距離にあります。
海岸線に沿って約1.5キロの範囲に松原が展開し、白浜と敦賀湾のコントラストが美しい海岸です。夏には海水浴客でも賑わいます。

選択肢イ.の日南海岸(にちなんかいがん)は宮崎県南部に拡がり、一部は鹿児島県にも及びます。
亜熱帯植物が続く海岸道路では南国ムードが楽しめます。
「鬼の洗濯岩」と呼ばれる奇勝青島や幸島の猿、都井岬の野生馬などでも有名です。

選択肢エ.の弓ヶ浜(ゆみがはま)は静岡県南伊豆町鳥取県西端部に同名の観光地があります。
静岡県側は伊豆半島南端にあり、海水浴やウミガメの産卵などで有名です。鳥取県側のは米子市から境港市に渡って美保湾と中海を隔てる弓ヶ浜半島のことを指します。

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【過去問解説】 JR券の取扱その1 (令和3年出題)

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この出題では運賃・料金計算等は必要でなく、単純に乗車券の取扱の正誤を問う問題になっています。
ある点に引っ掛からないようにだけ気を付けましょう。

令和3年 国内実務 問題2(2)-2 配点4点/100点

旅客鉄道会社(JR)に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
次の経路による行程で旅客が乗車する場合について、設問に該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
(注)乗車に必要な乗車券は、最初の列車の乗車前に、途中下車しないものとして購入するものとする。

◎行程
釜石駅→釜石線地方交通線)→花巻駅東北本線(幹線)→花巻空港駅

◎キロ数情報
釜石駅~花巻空港駅 営業キロ95.9キロ 運賃計算キロ104.9キロ

◎問題
この行程における普通乗車券に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
普通乗車券を所持する旅客が、旅客の都合により遠野駅で旅行を中止し、当該普通乗車券の有効期間内に、当該普通乗車券を遠野駅に差し出して既に支払った旅客運賃の払いもどしの請求をした場合、既に支払った旅客運賃から釜石駅と遠野駅の区間の普通旅客運賃と払いもどしの手数料を差し引いた残額が払いもどされる。

選択肢イ.
普通乗車券を所持する旅客が、旅客の都合により遠野駅で途中下車した場合であっても、当該普通乗車券を使用して遠野駅から花巻空港駅まで乗車することができる。

選択肢ウ.
指定学校の学生が、「学生・生徒旅客運賃割引証」を提示して普通乗車券を購入するときは、大人普通旅客運賃が2割引になる。

選択肢エ.
普通乗車券の有効期間は1日である。

 

 

この問題はきちんとルールを知っている方であれば楽勝(ラッキー問題)だったことでしょう。
引っ掛けポイントがあるとすれば、
営業キロが100キロ以下
・運賃計算キロが100キロを超えている
点ですね。乗車券の有効期間や途中下車ルールは営業キロを基に判断されるため、運賃計算キロが100キロを超えていようが関係ありません。

この問題の正解(正しいもの)は選択肢エ.です。

営業キロが100キロまでの乗車券なので、有効期間1日で疑う余地もありません。
あまりにも単純すぎるので、逆に疑心暗鬼になった受験者の方もいるのではないかと考えるぐらいです。

残りの選択肢が"誤り"であることを確認しておきましょう。

選択肢ア.は"誤り"です。
そもそも営業キロ100キロまでの乗車券には「下車前途無効」と表記されているはずで、途中下車をすれば残りの区間は無効(乗車券は回収される)となります。
アレ? 既に乗車した区間の運賃を別途払えば途中出場できるんじゃなかったっけ? と思った方は、下記のケースと混同しているので気を付けてください。
そのケースとは、「都区内・特定市内発着の乗車券で同一の都区内・特定市内駅で途中出場する場合」です。
(例)都区内発名古屋市内行の乗車券で新宿駅から乗車し、何らかの事情で品川駅にて途中出場したくなった
このケースでは、品川駅にて新宿~品川の運賃を支払えば途中出場できる便宜が図られます。元の乗車券は有効のままなので、後刻名古屋市内までの乗車に使えます。
「途中下車できない乗車券」という共通点はありますが、似て非なるケースなので取り違えないようにしましょう。

選択肢イ.も"誤り"です。
先ほど述べた通り、遠野駅で下車した時点で乗車券は回収(下車前途無効)されたはずなので手元にはありません。
よって、花巻空港駅までの乗車の際には無札となってしまうので乗車券の買い直しが必要です。

選択肢ウ.は学生割引乗車券(学割)の扱いですね。これも"誤り"です。
やはり扱いは営業キロ101キロ以上(運賃計算キロではない)なので、このケースでは適用されません。


 

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【過去問解説】 標準旅行業約款「旅行者の解除権」 (令和3年出題)

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「旅行者の解除権」と言いますが、旅行者側から契約の解除を申し立てること自体はいつでもできます。
問題は契約解除にあたって取消料が必要となるかどうかで、これはその要否を問う出題になっています。

令和3年 約款 問題1(6) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
募集型企画旅行契約の部「旅行者の解除権」に関する次の記述から、旅行者が旅行開始前に契約を解除するに当たって、取消料の支払いを要するもののみをすべて選んでいるものはどれか(いずれも取消料の支払いを要する期間内の解除とする。)。

a.確定書面に記載されていたA旅館の過剰予約受付により当該旅館に宿泊できなくなったため、契約書面において利用予定の宿泊機関として限定して列挙されていたB旅館に変更になったとき。
b.旅行者が足を骨折して入院したため、旅行に参加できなくなったとき。
c.確定書面には「A航空 羽田空港石垣空港間直行便利用」として記載されていたが、A航空の過剰予約受付により、同じA航空の羽田空港那覇空港石垣空港の乗継便に変更になったとき。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c
選択肢ウ. b,c
選択肢エ. a,b,c

 

 

「旅行者の解除権」は約款(標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部)第16条に出てきます。
そこでは"取消料が必要でないケース"が列挙されており、当てはまらないものは取消料が必要という解釈になります。


 

まず、aのケースは"取消料不要"に当たります。
これはいわゆる"契約内容の重要な変更"(変更補償金支払相当)に当たるからです。具体的には「契約書面に記載した宿泊機関の種類又は名称の変更」ですね。
既に確定書面発行後なので、契約書面では候補に挙がっていたB旅館と言えども確定A旅館から"変更された"ことになります。さらに理由が「A旅館の過剰予約受付」(オーバーブッキング)なので旅行業者の責ではなく、この判断の適用に問題はありません。

一方で、bのケースは純粋に旅行者側の責任による契約解除であり、取消料が免除されることにはなりません。

cも取消料免除にはならないのですが、少し補足解説が必要でしょう。
まず、「直行便の乗継便又は経由便への変更」は変更補償金支払事例の一つに出てきますが、これは海外旅行における出入国便の場合だけに適用されます。つまり、国内便での発生や海外渡航地内での発生では"契約内容の重要な変更"にはならないのです。
次に「旅行開始地たる空港又は旅行終了地たる空港の異なる便への変更」が気になるところですが、これも経由地が増えただけなので出発地・到着地の変更にはなっていません。
最後に「契約書面に記載した運送機関の種類又は会社名の変更」でもありません(どちらもA航空だから)。
よって、変更補償金が支払われるケースのどれにも当てはまりません。「過剰予約受付」(オーバーブッキング)というキーワードが含まれているのでつい飛びつきがちですが、よく読んで引っ掛からないようにしましょう。

以上により、取消料が要らないのはaだけで、bとcは必要です。
この問題の正解(取消料が必要な組み合わせ)は選択肢ウ.(b,c)となります。

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【過去問解説】 旅行業法「営業保証金」関連 (令和3年出題)

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旅行業開業において必須の資産要件である「営業保証金」に関する出題です。
旅行業協会に加入する場合の「弁済業務保証金分担金」と区別して覚えましょう。

令和3年 法令 問題(6) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者は、営業保証金の供託をしたときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を登録行政庁に届け出た後でなければ、その事業を開始してはならない。

選択肢イ.
第3種旅行業の新規登録を受けた者が供託すべき営業保証金の額は、登録の申請時に添付した書面に記載した旅行業務に関する旅行者との年間取引見込額が400万円未満である場合にあっては、15万円である。

選択肢ウ.
地域限定旅行業者が新規登録を受けたことにより営業保証金を供託する場合、国債証券をもって、営業保証金に充てることはできない。

選択肢エ.
旅行業者が新たに営業所を設置したときは、その日から100日以内に、営業保証金を追加して、旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

 

 

「営業保証金」に関する条文は、旅行業法の第7条から9条に出てきますので照らし合わせて見てください。

この問題の正解(正しいもの)は選択肢ア.です。

営業保証金はただ収めただけ(供託)ではダメなのです。供託所から旅行業登録先(登録行政庁=観光庁長官または主たる営業所を管轄する都道府県知事)へ連絡を回してもらえれば話が早いのですが、そういう訳にもいかず、供託手続が済んだ証明を自ら届出しなければいけません。
具体的には「供託書」に受入証明を受け、その写しを証明書として提出する形となります。

これ以外の選択肢はいずれも"誤り"です。

選択肢イ.は営業保証金の金額に関する問題ですね。登録種別(第1種・第2種・第3種・地域限定)と前年度の年間取引額(登録時においては見込額)で決まりますので覚えておきましょう。
語呂合わせで「なお11歳」というのがあるので便利です。(年間取引額400万円以上5000万円未満の場合)
第1種 7,000万円、第2種 1,100万円、第3種 300万円、地域限定 100万円、百万円単位に置き換えると 70百万・11百万・3百万・1百万。
第3種旅行業は、この300万円が最低ベースなので15万円というのはあり得ません。
15万円が適用されるのは、地域限定旅行業で年間取引額が400万円未満の場合だけです。

選択肢ウ.も営業保証金の定番問題です。
現金以外にも国債証券、地方債証券、その他法令で認められた社債券などを充てることができますが、ただし債券の内容によっては額面金額通りに査定されないことがあるので注意が必要です。

選択肢エ.も"誤り"です。
何らかの事情により、営業保証金が不足した場合は追加の供託が必要なのは事実で、その期限が100日以内なのも合っています。
ただ、その理由は、
・前年度の年間取引額が増えたことにより、当年度に適用される営業保証金の額が増額した
・変更登録(登録種別を変えた)ことにより、適用される営業保証金の額が増額した
場合であり、単に営業所を新設しただけの場合であればこれには当てはまりません。


 

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【過去問解説】 杵築市ほか (令和3年出題)

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この問題もヒントは多めですが、"海岸線"以外は位置を特定する情報に乏しく、その観光地の特色をつかんでいなければ解きにくい出題となっています。
とは言え、個性的な街ですので覚えておく価値はありでしょう。

令和3年 国内実務 問題5(6) 配点2点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
臥牛山に城が築かれ、藩士の邸宅や町屋も残されているかつての城下町で、百を超える鮭料理など独自な鮭文化を築き上げ、瀬波温泉や美しい海岸線の笹川流れでも知られる街は、次のうちどれか。

選択肢ア. 杵築市
選択肢イ. 酒田市
選択肢ウ. 村上市
選択肢エ. 若狭町

 

 

この問題の正解は選択肢ウ.の村上市(むらかみし)です。

村上市新潟県最北の市で、日本海側を山形県方向に向かった場所にあります。
村上城のある臥牛山は標高135メートルで、いわゆる平山城でしたが明治時代以降は建物が現存しません。
この街では明治時代に鮭の人工ふ化に成功したことをきっかけに、鮭漁や鮭料理文化が発達しました。
瀬波温泉笹川流れ日本海沿岸にあり、特に夕陽の美しさには定評があります。


 

選択肢ア.の杵築市(きつきし)は大分県で国東半島の南側にあります。
みかん・デコポンなど農林産業が中心、大分空港に近いことから半導体など先端技術産業も集まりつつあります。
観光面では杵築城と旧城下町、古墳群などを取り上げて力を入れています。

選択肢イ.の酒田市(さかたし)は山形県日本海側に位置し、庄内地区の中心都市でもあります。
北前船の寄港地として栄えた酒田の街は、かつての米取引所の名残である山居倉庫(さんきょそうこ)など歴史的建造物も数多く残っています。
離島である飛島や庄内砂丘など自然スポットにも恵まれています。

選択肢エ.の若狭町(わかさちょう)は福井県の西部(若狭・嶺南地方)にあります。
ラムサール条約登録湿地である三方五湖を有する地域で、日本海から京都へ海産物を運んだ"鯖街道"(熊川宿が有名)でも知られています。

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【過去問解説】 貸切バスの運賃・料金計算その4 (令和3年出題)

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貸切バスのキャンセルに伴う違約料計算の出題です。実際に経験する機会でもなければなかなか目にすることもありませんが、ただ計算ルール自体は単純なので、この問題を通じて一度見ておきましょう。

令和3年 国内実務 問題1(4) 配点4点/100点

貸切バスによる運送に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
「配車日時が9月30日の午前11時、所定の方法により計算された貸切バス1台あたりの運賃及び料金の合計額が100,000円の貸切バス」の運送契約について、違約料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(注1)「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」によるものとする。
(注2)「運送契約の解除」及び「配車車両数の減少を伴う運送契約の内容の変更」は、契約責任者の都合によるものとする。
(注3)選択肢ウ.エ.の契約責任者からの運送契約の内容の変更について、バス会社はその変更を承諾したものとする。
(注4)消費税の計算は行わないものとする。

選択肢ア.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が2台であるとき、9月10日(配車日の20日前)に運送契約を解除したときの違約料は不要である。

選択肢イ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が1台であるとき、9月29日(配車日の前日)の午前9時にこの1台の運送契約を解除したときの違約料は30,000円である。

選択肢ウ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が3台であるとき、9月20日(配車日の10日前)に2台の車両の減少を伴う運送契約の内容を変更したときの違約料は、減少した2台分の40,000円である。

選択肢エ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が6台であるとき、9月30日(配車日)の午前9時に1台の車両の減少を伴う運送契約の内容を変更したときの違約料は、減少した1台分の50,000円である。

 

 

貸切バスの違約料については、注1に書いてある「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」の第15条に出てきます。
まとめるとこんな感じです。
・配車日の14日前から発生する
・配車日の8日前まで ・・・ 所定の運賃及び料金の20%
・配車日時の24時間前まで ・・・ 同30%
・配車日時の24時間前以降 ・・・ 同50%
・一部台数キャンセルについて、契約台数の20%未満の減車である場合は違約料が発生しない(20%以上になったら減車台数分に適用)

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢エ.です。

上で述べた計算式に当てはめれば、
・配車当日(24時間前以降)なので50%を適用
・減車が1台なので、100,000円×50%×1台=50,000円
で一見正しいように見えます。
ただし、一部キャンセルであり、減車割合が20%未満(1/6)であったので、このケースでは違約料が発生しないことになるのです。
当日キャンセルなのに違約料が発生しないとは意外ですね。
この話(一部キャンセルの場合の違約料)は貸切バス特有の事象であり、まれに出題されることがあるのでぜひ覚えておきましょう。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.では、違約料の発生日である配車日14日前に至っていないので、違約料は発生しないで合っています。

選択肢イ.については、ギリギリですが配車日時24時間前に相当します。
よって、違約料は30%、金額で言えば30,000円という計算になります。

選択肢ウ.のケースは、配車日8日前までの20%が適用されますね。
減車した2台分なので、100,000円×20%×2台=40,000円となり、合っています。
選択肢エ.と同じく一部キャンセルですが、こちらでは減車割合が20%以上(2/3)ですので違約料は免除されません。
また、よくある覚え間違いとしては、例えば元の契約台数が10台だったとき、
・途中で5台をキャンセル ・・・ この時点で違約料が発生
・違約料は5台分必要 ・・・ 20%までは免除されるので2台分は不要(3台分だけ発生)というのは間違い
となりますので注意しましょう。


 

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