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【過去問解説】 JR券の取扱その1 (令和3年出題)

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この出題では運賃・料金計算等は必要でなく、単純に乗車券の取扱の正誤を問う問題になっています。
ある点に引っ掛からないようにだけ気を付けましょう。

令和3年 国内実務 問題2(2)-2 配点4点/100点

旅客鉄道会社(JR)に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
次の経路による行程で旅客が乗車する場合について、設問に該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
(注)乗車に必要な乗車券は、最初の列車の乗車前に、途中下車しないものとして購入するものとする。

◎行程
釜石駅→釜石線地方交通線)→花巻駅東北本線(幹線)→花巻空港駅

◎キロ数情報
釜石駅~花巻空港駅 営業キロ95.9キロ 運賃計算キロ104.9キロ

◎問題
この行程における普通乗車券に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
普通乗車券を所持する旅客が、旅客の都合により遠野駅で旅行を中止し、当該普通乗車券の有効期間内に、当該普通乗車券を遠野駅に差し出して既に支払った旅客運賃の払いもどしの請求をした場合、既に支払った旅客運賃から釜石駅と遠野駅の区間の普通旅客運賃と払いもどしの手数料を差し引いた残額が払いもどされる。

選択肢イ.
普通乗車券を所持する旅客が、旅客の都合により遠野駅で途中下車した場合であっても、当該普通乗車券を使用して遠野駅から花巻空港駅まで乗車することができる。

選択肢ウ.
指定学校の学生が、「学生・生徒旅客運賃割引証」を提示して普通乗車券を購入するときは、大人普通旅客運賃が2割引になる。

選択肢エ.
普通乗車券の有効期間は1日である。

 

 

この問題はきちんとルールを知っている方であれば楽勝(ラッキー問題)だったことでしょう。
引っ掛けポイントがあるとすれば、
営業キロが100キロ以下
・運賃計算キロが100キロを超えている
点ですね。乗車券の有効期間や途中下車ルールは営業キロを基に判断されるため、運賃計算キロが100キロを超えていようが関係ありません。

この問題の正解(正しいもの)は選択肢エ.です。

営業キロが100キロまでの乗車券なので、有効期間1日で疑う余地もありません。
あまりにも単純すぎるので、逆に疑心暗鬼になった受験者の方もいるのではないかと考えるぐらいです。

残りの選択肢が"誤り"であることを確認しておきましょう。

選択肢ア.は"誤り"です。
そもそも営業キロ100キロまでの乗車券には「下車前途無効」と表記されているはずで、途中下車をすれば残りの区間は無効(乗車券は回収される)となります。
アレ? 既に乗車した区間の運賃を別途払えば途中出場できるんじゃなかったっけ? と思った方は、下記のケースと混同しているので気を付けてください。
そのケースとは、「都区内・特定市内発着の乗車券で同一の都区内・特定市内駅で途中出場する場合」です。
(例)都区内発名古屋市内行の乗車券で新宿駅から乗車し、何らかの事情で品川駅にて途中出場したくなった
このケースでは、品川駅にて新宿~品川の運賃を支払えば途中出場できる便宜が図られます。元の乗車券は有効のままなので、後刻名古屋市内までの乗車に使えます。
「途中下車できない乗車券」という共通点はありますが、似て非なるケースなので取り違えないようにしましょう。

選択肢イ.も"誤り"です。
先ほど述べた通り、遠野駅で下車した時点で乗車券は回収(下車前途無効)されたはずなので手元にはありません。
よって、花巻空港駅までの乗車の際には無札となってしまうので乗車券の買い直しが必要です。

選択肢ウ.は学生割引乗車券(学割)の扱いですね。これも"誤り"です。
やはり扱いは営業キロ101キロ以上(運賃計算キロではない)なので、このケースでは適用されません。


 

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