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【過去問解説】 貸切バスの運賃・料金計算その4 (令和3年出題)

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貸切バスのキャンセルに伴う違約料計算の出題です。実際に経験する機会でもなければなかなか目にすることもありませんが、ただ計算ルール自体は単純なので、この問題を通じて一度見ておきましょう。

令和3年 国内実務 問題1(4) 配点4点/100点

貸切バスによる運送に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
「配車日時が9月30日の午前11時、所定の方法により計算された貸切バス1台あたりの運賃及び料金の合計額が100,000円の貸切バス」の運送契約について、違約料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(注1)「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」によるものとする。
(注2)「運送契約の解除」及び「配車車両数の減少を伴う運送契約の内容の変更」は、契約責任者の都合によるものとする。
(注3)選択肢ウ.エ.の契約責任者からの運送契約の内容の変更について、バス会社はその変更を承諾したものとする。
(注4)消費税の計算は行わないものとする。

選択肢ア.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が2台であるとき、9月10日(配車日の20日前)に運送契約を解除したときの違約料は不要である。

選択肢イ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が1台であるとき、9月29日(配車日の前日)の午前9時にこの1台の運送契約を解除したときの違約料は30,000円である。

選択肢ウ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が3台であるとき、9月20日(配車日の10日前)に2台の車両の減少を伴う運送契約の内容を変更したときの違約料は、減少した2台分の40,000円である。

選択肢エ.
この運送契約による貸切バスの配車車両数が6台であるとき、9月30日(配車日)の午前9時に1台の車両の減少を伴う運送契約の内容を変更したときの違約料は、減少した1台分の50,000円である。

 

 

貸切バスの違約料については、注1に書いてある「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」の第15条に出てきます。
まとめるとこんな感じです。
・配車日の14日前から発生する
・配車日の8日前まで ・・・ 所定の運賃及び料金の20%
・配車日時の24時間前まで ・・・ 同30%
・配車日時の24時間前以降 ・・・ 同50%
・一部台数キャンセルについて、契約台数の20%未満の減車である場合は違約料が発生しない(20%以上になったら減車台数分に適用)

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢エ.です。

上で述べた計算式に当てはめれば、
・配車当日(24時間前以降)なので50%を適用
・減車が1台なので、100,000円×50%×1台=50,000円
で一見正しいように見えます。
ただし、一部キャンセルであり、減車割合が20%未満(1/6)であったので、このケースでは違約料が発生しないことになるのです。
当日キャンセルなのに違約料が発生しないとは意外ですね。
この話(一部キャンセルの場合の違約料)は貸切バス特有の事象であり、まれに出題されることがあるのでぜひ覚えておきましょう。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.では、違約料の発生日である配車日14日前に至っていないので、違約料は発生しないで合っています。

選択肢イ.については、ギリギリですが配車日時24時間前に相当します。
よって、違約料は30%、金額で言えば30,000円という計算になります。

選択肢ウ.のケースは、配車日8日前までの20%が適用されますね。
減車した2台分なので、100,000円×20%×2台=40,000円となり、合っています。
選択肢エ.と同じく一部キャンセルですが、こちらでは減車割合が20%以上(2/3)ですので違約料は免除されません。
また、よくある覚え間違いとしては、例えば元の契約台数が10台だったとき、
・途中で5台をキャンセル ・・・ この時点で違約料が発生
・違約料は5台分必要 ・・・ 20%までは免除されるので2台分は不要(3台分だけ発生)というのは間違い
となりますので注意しましょう。


 

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