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【過去問解説】 ラムサール条約登録地「宍道湖」 (令和4年出題)

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ラムサール条約に関する過去問では、設問文の内容に当てはまる登録地を選ばせる問題がよく見かけられますが、今回は逆にターゲット(宍道湖)を示した上で、その特徴を問うという形式で出題されました。

令和4年 国内実務 問題8(3) 配点2点/100点

日本国内における世界遺産ラムサール条約・国立公園に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
ラムサール条約の登録地「宍道湖」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
日本で4番目に大きい約103平方キロに及ぶ面積の湖で、白鳥浜には多数の白鳥が飛来する。

選択肢イ.
海水が入り混じった汽水湖のため魚種が豊富で"宍道湖七珍"と呼ばれる湖の幸が名物料理となっている。

選択肢ウ.
小泉八雲も愛したと言われる夕景の美しさで知られ「日本の夕陽百選」にも選ばれている。

選択肢エ.
湖には悲しい伝説の残る小島"嫁ヶ島"が浮かんでいる。

 

 

宍道湖(しんじこ)は島根県松江市出雲市にまたがる湖です。日本海には直接面していないものの、宍道湖→大橋川→中海→境水道→日本海 の順で水路が繋がり、潮位の影響で宍道湖までが汽水域になっています。餌が豊富なこともあり、ガン・カモ類をはじめとした水鳥の一大越冬地となっており、一方でヤマトシジミなど多様な汽水性種が生息していることから、2005年にラムサール条約登録されました。


 

さて、この問題の正解(宍道湖のことを言っていないもの)は、選択肢ア.です。

選択肢ア.は福島県猪苗代湖(いなわしろこ)の説明です。
ちなみに宍道湖は第7位で、それより上は、
1位 琵琶湖(滋賀県
2位 霞ケ浦茨城県
3位 サロマ湖(北海道)
4位 猪苗代湖福島県
5位 中海(鳥取県島根県宍道湖のお隣) 
6位 屈斜路湖(北海道)
となっています。
猪苗代湖は残念ながらラムサール条約登録地ではありません(かつて候補にはなった)。その代わり、「猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地」が国の天然記念物となっています。

それ以外の選択肢(イ.ウ.エ.)は宍道湖の内容を正しく表しています。

選択肢イ,について、汽水湖であることは先ほど述べた通りです(ただし塩分濃度は海水の約1/10)。"宍道湖七珍"とは、スズキ・モロゲエビ(ヨシエビ)・ウナギ・アマサギ(ワカサギ)・シジミ・コイ・シラウオのことで、一応覚え方があり、頭文字をとって「スモウアシコシ」というそうです。
一番の有名どころはやはりシジミヤマトシジミ)、日本一の漁獲高を誇ります。


 

選択肢ウ.も、小泉八雲ラフカディオ・ハーン)が松江に縁があることを知っていれば、外せない選択肢です。
ただ、当人が松江に住んでいたのはごくわずかの間で、当時はまだ小泉八雲とは名乗っていません(帰化する前)。それでも 小泉八雲=松江 のイメージが世間に広く浸透しているのですから大したものです。

選択肢エ.の"嫁ヶ島"は、宍道湖の東端にある小島です。松江市街地から見ると西方向にあり、選択肢ウ.にあった「日本の夕陽百選」は実はこの島を眺めた景色でもあります。
「悲しい伝説」とは、氷の張った湖面を通って近道しようとした嫁が、事故で溺れてしまったという故事からきており、これが島の名前の由来になりました。

ところで、松江・宍道湖と言えば、私は寝台特急サンライズ出雲」を思い出します。長らく乗れずにおりましたが、車歴の関係もあり、この先いつまでも乗れる存在ではなさそうです。
国内最後の寝台列車の旅をぜひ。出雲大社松江城出雲そばめぐりなんてのもいいですね。

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