旅行好きのための国内旅行業務取扱管理者ガイド

令和4年過去問解説 全問対応しました 「趣味は旅行です」から1ランク上を目指す方へ!

MENU

【過去問解説】 五色沼ほか (令和4年出題)

過去問まとめ(リンクページ)はこちら

国内旅行業務取扱管理者試験ではすっかりおなじみになった湖沼選択問題からの出題です。
似たような選択肢が多く、私もどちらかと言えば不得手です。一緒に克服しましょう。

令和4年 国内実務 問題6(4) 配点2点/100点

次の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
磐梯山の北側に位置し、毘沙門沼、弁天沼、るり沼などから成る湖沼群で、これらを巡る自然探勝路や手漕ぎボートなどが楽しめるのは、次のうちどれか。

選択肢ア. 五色沼
選択肢イ. 三方五湖
選択肢ウ. 伊豆沼・内沼
選択肢エ. 大沼・小沼

 

 

湖沼が観光地として注目されるようになった背景には「ラムサール条約」(ラムサール条約登録湿地)の影響が大きいですね。
水鳥の生育地保護に始まり、その土壌である湿地の保全を目的とした環境活動は、いつしか観光資源の開拓とも重なるようになりました。
一般市民の環境意識も年々高まる中、この領域はこれからも成熟が期待されます。

さて、今回の問題の正解は(設問の文章に当てはまるのは)選択肢ア.の五色沼(ごしきぬま)でした。

磐梯山が大きなヒントですね。(と言うよりこれを抜くと他に強力な手掛かりが無い)
磐梯山の北側は裏磐梯(または磐梯高原)と呼ばれる観光エリアです。五色沼の他には桧原湖・秋元湖、スキー場や周辺温泉などで賑わいます。
五色沼磐梯山の噴火で川がせき止められた湖沼群の一部で、コバルトブルーの瑠璃沼(るりぬま)をはじめ、緑・赤・青などの様々な色彩を見せる(火山性水質や水中植物の影響)ことが語源となっています。
五色沼は特色ある小さな沼が多く集まった一角であり、一通り周回できる自然探勝路でも距離4キロ、所要1時間半程度のお手軽コースであることが人気ポイントの一つでしょう。


 

選択肢イ.の三方五湖(みかたごこ)は、福井県美浜町若狭町にあります。三方湖水月湖菅湖久々子湖日向湖(ひるがこ)から成り、互いに水路で繋がっていながら淡水湖・汽水湖・海水湖が入り混じることで様々な魚種(固有種を含む)が生育、カモをはじめとした野鳥も集まります。「ラムサール条約」に登録。
観光資源としては、釣り・遊覧船・レインボーライン(周遊道路からの展望)などで賑わっています。


 

選択肢ウ.は伊豆沼・内沼(いずぬま・うちぬま)。宮城県栗原市登米市にまたがる大小2つの沼を指します。こちらも「ラムサール条約登録湿地」の一つです。
冬でも凍結せず、周辺に水田が広がる(採餌場)ことから越冬地として最適で、マガン(国内の80%以上)・オオハクチョウコハクチョウなどが飛来します。
生活域に近く、水質問題や外来魚対策などを抱える一方で、住民主体での水草植栽などによる保護活動も活発に行われています。

選択肢エ.の大沼・小沼は、群馬県赤城山にも同名の湖沼がありますが、ここでは「ラムサール条約」にも登録されている北海道七飯町函館市の北方)の「おおぬま・こぬま」を取り上げましょう。ちなみに、ラムサール条約登録名は「大沼」となっていますが、ここで言う"大沼"は小沼なども含まれるいわば"地域名"です。(ややこしいですね)
駒ヶ岳の噴火でできたせき止め湖で、その特徴は「流山」(ながれやま)と呼ばれる多数の小島(溶岩の塊が水上に顔を出したもの)による特異な光景です。
オオハクチョウマガモなどの渡り鳥中継地であるほか、ワカサギ・カワエビ・ジュンサイなどが名物となっています。

過去問まとめ(リンクページ)はこちら