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【過去問解説】 小樽運河ほか (令和4年出題)

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"港町"っていいですね。歴史あるレンガ倉庫、異国情緒、中華街・・・ etc.
多くの方に馴染みのある観光先のはずなのですが、切り口が変わればときに難問と化します。

令和4年 国内実務 問題6(5) 配点2点/100点

次の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
明治時代から貿易で栄えた港町で、国指定重要文化財の鉄道駅舎や三井物産のかつての社交俱楽部、旧税関などが建ち並び、観光トロッコ列車「潮風号」も楽しめる観光地は、次のうちどれか。

選択肢ア. 小樽運河
選択肢イ. 神戸ハーバーランド
選択肢ウ. 門司港レトロ
選択肢エ. 横浜赤レンガ倉庫

 

 

この問題のテーマは"歴史ある港町"です。日本には数多く存在し、いずれも人気ある観光地なのですが、意外とイメージが似通っていて見分けにくい?
その辺を上手く突かれた出題になっていました。設問文中のキーワードを知っているかどうかで正否の運命が分かれます。

正解は(設問の文章に当てはまるのは)選択肢ウ.の門司港レトロ(もじこうれとろ)です。

定番の函館・長崎(これらは出題されていない)・神戸・横浜を抑えて、比較的ブームとしては日の浅い門司港が選ばれたところがなんとも言えません。
門司港があるのは福岡県北九州市門司区、もちろん明治からの歴史があるのは間違いないですが、観光的に整備されたのは近年(平成始め頃)の話です。
既存の建築物を修復整備したことに加え、街並みを一体的に大正レトロ調に仕上げることで、街ごとの観光地化に成功しました。
設問文にある鉄道駅舎はJR門司港駅(現役です)のこと。旧門司三井倶楽部は駅前へわざわざ移築してきた力の入れようです。
観光トロッコ列車「潮風号」は、現地で休止状態にあった貨物線を活用し、他社からトロッコ車両を買い入れて運行を始めたもので、本来のレトロとは直接関係ありませんが、観光スポットの盛り上げに一役買っています。


 

選択肢ア.の小樽運河(おたるうんが)は北海道小樽市です。
艀(はしけ)による荷揚げ作業の効率化のために、接岸面積拡大で海を埋め立てたという変わった工法(通常だと掘り込み)で作られた運河となっています。
その後はご多聞にもれず役目を終えていたのですが、保存の声が上がり、やがて観光地整備されました。あえて運河幅の半分を埋め、そこに散策路を設けたという大胆な施索が採られています。
ガス灯によるライトアップが有名。運河クルーズ船もありますが、周辺観光(ガラス工芸・オルゴール・地ビール・寿司など)とのセットがおすすめです。

選択肢イ.は神戸ハーバーランド(こうべはーばーらんど)。神戸市中央区にあります。
"神戸"の文字から同じく"歴史ある港町"風景をイメージしたいところですが、他の選択肢と違い、この場所は既存の建物を活かすというより文字通りの"再開発"。都市部のウォーターフロント地区を市街地整備し、真新しい商業施設を中心に展開させています。
もちろん「北野異人館街」や「南京町」に代表される"昔ながらの神戸観光"の方も健在で、この設問においてはわざわざ"ハーバーランド"という付帯語を付けたかったがゆえに異色の(風変わりな)選択肢と化したきらいがあります。

選択肢エ.の横浜赤レンガ倉庫(よこはまあかれんがそうこ)は、もはや説明の必要もないぐらいですが少しだけ触れてみます。
横浜市中区、みなとみらい地区に存在する赤レンガ倉庫は1号館と2号館があり、当時そのままの保税倉庫を改装して文化施設と商業施設に再生しました。
特徴あるその外観は、改装前も後も数々のドラマや映画の舞台になりました。
現在は赤レンガ倉庫を含む付近一帯が「横浜赤レンガパーク」として整備され、当地区の集客の要となっています。


 

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