旅行好きのための国内旅行業務取扱管理者ガイド

令和4年過去問解説 全問対応しました 「趣味は旅行です」から1ランク上を目指す方へ!

MENU

【過去問解説】 旅行業法「弁済業務保証金制度」 (令和4年出題)

過去問まとめ(リンクページ)はこちら

旅行業者の倒産により旅行サービスが提供できなくなった場合に備え、旅行者の旅行代金の保護を図るために設けられた制度が「営業保証金」と「弁済業務保証金」です。(営業保証金については10/8付記事をご覧ください)

令和4年 法令 問題(25) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
旅行業協会に加入しようとする旅行業者は、その加入しようとする日までに、所定の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。

選択肢イ.
保証社員と旅行業務に関し取引をした旅行者及び当該保証社員から手配を依頼された旅行サービス手配業者は、その取引によって生じた債権に関し、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。

選択肢ウ.
旅行業協会が供託している弁済業務保証金から債権の弁済を受ける権利を有する者は、その権利を実行しようとするとき、その債権について登録行政庁の認証を受けなければならない。

選択肢エ.
旅行業協会は、保証社員から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、これを保証社員の主たる営業所の最寄りの供託所に弁済業務保証金として供託しなければならない。

 

 

「弁済業務保証金」は旅行業協会に加入している旅行業者等(保証社員)だけが利用できる制度です。「営業保証金」の場合に比べ、個々の納付額が1/5相当になるので金銭的負担が抑えられています。

この問題の正解(正しいもの)は選択肢ア.です。

新たに旅行業協会に加入しようとする場合、同時に(加入日までに)弁済業務保証金分担金を納付しなければいけません。宛先は旅行業協会です。
この弁済業務保証金分担金の額は、前述した通り、営業保証金を単独納付する場合と比べて1/5相当です。
例えば、営業保証金では「なお11歳」というフレーズでの暗記方法がありましたが(10/8記事参照)、
第1種 7,000万円、第2種 1,100万円、第3種 300万円、地域限定 100万円(前年度取引額5000万円未満)に対し、弁済業務保証金分担金では、
第1種 1,400万円、第2種 220万円、第3種 60万円、地域限定 20万円となります。語呂合わせは特にありません。

これ以外の選択肢はいずれも”誤り”です。

選択肢イ.で正しい内容は、弁済業務保証金制度で弁済を受けられるのは旅行者だけであるという点です。
それ以外の取引相手(旅行サービス手配業者や運送機関・宿泊施設等)は債権が生じていた場合でも弁済業務保証金からの還付は受けられません。

選択肢ウ.も"誤り"です。
弁済業務保証金の場合は、認証の申出先は旅行業協会です(登録行政庁宛になるのは営業保証金の場合)。
なお、該当の旅行業者がどちらの旅行業協会(日本旅行業協会・全国旅行業協会)に属しているかは、旅行業約款等で確認することができます。興味のある方は一度見てみましょう。

選択肢エ.も"誤り"です。
それぞれの保証社員から納付された「弁済業務保証金分担金」を、最終的には旅行業協会が「弁済業務保証金」として供託するのですが、いちいち保証社員の営業所の最寄りの供託所に行かなければいけないのだとしたら大変ですね。
正しくは「旅行業協会の住所の最寄りの供託所」と定められており、旅行者が実際に還付を受ける供託所もここになります。

過去問まとめ(リンクページ)はこちら