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【過去問解説】 旅行業法「旅行業協会」その1 (令和3年出題)

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旅行業者等の業界団体である旅行業協会に関する問題です。
なぜ各事業者が加入するのか、どんなメリットがあるのか、確認しておきましょう。

令和3年 法令 問題(24) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。

次の記述のうち、旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められているものはどれか。

選択肢ア.
旅行需要を喚起するための諸施策

選択肢イ.
旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する立入検査

選択肢ウ.
旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修

選択肢エ.
旅行業務に関し社員である旅行業者又は当該旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者若しくは旅行サービス手配業者と取引をした者に対し、その取引によって生じた債権に関し弁済をする業務

 

 

まず、旅行業協会の業務についておさらいしておきましょう。
・苦情の解決
・研修
・弁済業務(弁済業務保証金)
・指導
・調査、研究及び広報
正式な文面はもっと長いのですが、上記のキーワード部分だけで覚えてもよいかと思います。
・・・というのがこれまでの私の考え方でしたが、ここで一つ問題が発生しました。

今回の設問に照らし合わせて言えば、
研修 → 選択肢ウ.が該当
弁済業務 → 選択肢エ.が該当
と2件が当てはまってしまいます。

ここで正解を先に述べておきますが、正しいもの(旅行業協会の業務に含まれるもの)は選択肢ウ.です。

ウ.については旅行業法の中に記された条文そのままです。
一方で、選択肢エ.では何が間違っているのかと言えば、その弁済が行われるケースです。
正しくは、取引の相手は旅行者である場合に限られます。つまり、業者対業者の取引の場合には適用されません。

ここまで細かく突いてくるとは予想外でしたね。選択肢ウ.がわかりやすい"正解"だったので助かりましたが、引っ掛けでエ.を選んでしまった方も少なからずいらっしゃるかと想像します。
あらためてこの機会に、弁済業務保証金について、誰が(どこが)何を行うのかをまとめてみます。
・弁済業務保証金分担金 ・・・ 社員(旅行業者)が旅行業協会に納付
・弁済業務保証金 ・・・ 旅行業協会が供託所に供託
・弁済事例の発生 ・・・ 社員が旅行者に対して行った旅行業務取引において発生
・弁済業務保証金の還付認証 ・・・ 旅行者が旅行業協会に申し出て認証を受ける
・弁済業務保証金の還付 ・・・ 旅行者が供託所に請求して還付を受ける
(以下、還付充当金の供託については省略します)

選択肢ア.と選択肢イ.は"誤り"です。
これらは旅行業協会の業務に(前述のキーワードを含めて)登場しません。
ちなみに、「旅行需要を喚起するための諸施策」と言うと文字通り国(行政)レベルの政策案件ですし、旅行業協会にはそこまでの責務はありません。
「旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する立入検査」の権限を有しているのは観光庁長官や消費者庁長官がこれに当たります。

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