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【過去問解説】 旅行業法「旅行業約款」 (令和3年出題)

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「旅行業約款」も毎年のように出題されるテーマなのですが、この年は少し変わった切り口で出題されました。
後述しますが、"言葉の捉え方"しだいで解釈が違ってくるのでは? とも思える問題です。

令和3年 法令 問題(10) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅行業約款に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、旅行業約款について国土交通省令内閣府令で定める軽微な変更をしようとする場合は、登録行政庁の認可を受けることを要しない。
b.旅行業者が、観光庁長官及び消費者庁長官が定めて公示した標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは、その旨を登録行政庁に届け出なければならない。
c.旅行業者等は、旅行業約款をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置き、旅行者と旅行業務に関し契約を締結しようとするときは、旅行者に対し、旅行業約款を交付しなければならない。
d.旅行業者は、旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約に関し、旅行業約款を定め、登録行政庁の認可を受けなければならない。

選択肢ア. a,d
選択肢イ. a,b,c
選択肢ウ. b,c,d
選択肢エ. a,b,c,d

 

 

「旅行業約款」は旅行業法第12条の2に出てきます。

この問題では、最初にdから見ていきましょう。dは"正しい"内容です。
旅行業約款は認可を受けなければいけません。アレ? 標準旅行業約款と同じものを採用した場合は認可不要なのでは? と思っていた方もいらっしゃることでしょう。
これは"言葉の捉え方"というような話で、標準旅行業約款を採用した場合には「認可を受けたものとみなす」とあります。これは認可そのものが省略されたわけではなく、言い換えれば「自動的に認可された」扱いということなのでしょう。
現に、旅行業法第12条の2にはちゃんと「認可を受けなければならない」と明記されており、dの文意と一致しています。


 

続いてはaを見てみます。これも"正しい"です。
旅行業約款は登録の際も変更する際も認可が必要です(前項参照)。
ただし、"軽微な変更"の場合は変更認可が免除されます。では、この"軽微な変更"は何かと言えば、「旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則」という法令に載っていますので検索してみましょう。その中の第2条に出てきます。
・保証社員(旅行業協会に所属)の場合は、旅行業協会の名称又は所在地及び弁済業務保証金からの弁済限度額
・保証社員でない旅行業者の場合は、営業保証金を供託している供託所の名称又は所在地
・保証社員が保証社員でなくなった場合、もしくは保証社員でないものが保証社員になった場合の関連変更

一方でbは"誤り"です。
先ほど述べた通り、標準旅行業約款と同じものを採用した場合は"自動的に認可された"扱いとなります。また、その旨を届け出ること自体も必要ありません。

cも"誤り"です。
前半(その営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置く)は合っています。
間違っているのは最後の箇所で、契約の際に旅行業約款を交付する必要はありません。

以上により、この問題の正解(正しいものの組み合わせ)は選択肢ア.(a,d)となります。

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