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【過去問解説】 旅行業法「業務改善命令」 (令和3年出題)

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「業務改善命令」と言うと少々言葉の響きが重いですね。
このようなことが発生しないようにしたいものです。ただ実際にここまで適用されるのは余程の事態かと思います。

令和3年 法令 問題(21) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
次の記述のうち、法第18条の3「業務改善命令」として、定められていないものはどれか。

選択肢ア.
旅行業協会の保証社員になること。

選択肢イ.
企画旅行の円滑な実施のための措置を確実に実施すること。

選択肢ウ.
旅行業務の取扱いの料金を変更すること。

選択肢エ.
旅行業約款を変更すること。

 

 

旅行業法本文を参照する場合は、設問文にある通り第18条の3の箇所を見てください。

この問題の正解(業務改善命令に含まれないもの)は選択肢ア.です。

旅行業協会の保証社員になることは義務ではなく、たとえ該当旅行業者の業務改善を目的としていたとしても加入を強制されるものではありません。
ただ、加入すれば「弁済制度」(弁済業務保証金分担金の納付)や研修などのメリットが受けられるので最初から自主的に加入する旅行業者も多いです。


 

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"(業務改善命令に含まれる)です。

選択肢イ.の「企画旅行の円滑な実施のための措置を確実に実施すること」は読んで字の通りですね。
これは措置というより指導といった性格のものかもしれません。

選択肢ウ.と選択肢エ.も"正しい"です。
「旅行業務の取扱いの料金の変更」にしろ、「旅行業約款の変更」にしろ、本来(通常であれば)強制されるものではないので、これが適用されるのは余程の事態であったことかと推測されますが、どちらもこの通り規定されています。

業務改善命令にはこの他に、
・旅行業務取扱管理者の解任
・企画旅行の収受対価を変更
・保険契約の締結(損害を賠償するために必要な金額を担保するため)
などが挙げられています。
いずれも常識的な事業を行っていれば抵触するはずがないので万が一に備えた条項であると言えるでしょう。


 

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【過去問解説】  観光モデルコース(盛岡駅発) (令和3年出題)

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観光モデルコース問題の3問目、岩手県盛岡から秋田へ向かうコースです。
この近辺にはあちらもあったっけ? こちらに寄ってみては、などと空想も膨らみます。

令和3年 国内実務 問題8(3) 配点2点/100点

以下の設問の行程について、前後に最も近い観光地を、選択肢の中から1つ選んで"空欄"を埋め、モデルコースを完成させなさい。

盛岡駅 → つなぎ温泉 → (空欄) → 角館 → 秋田駅

選択肢ア. 榛名湖
選択肢イ. 十三湖 
選択肢ウ. 田沢湖
選択肢エ. 十和田湖

 

 

このコースはたまたまかもしれませんがJR秋田新幹線のルートに概ね沿っています。なので、新幹線駅で見た地名も出てくるので、そちらに詳しい方にはラッキーだったかもしれません。

盛岡駅から秋田駅へは西の方向へ向かいます。
最初の立ち寄り地、つなぎ温泉(ちなみに漢字では"繋温泉"と書きます)のある場所はまだ盛岡市ですが、市街地からは西方に離れた小岩井農場にほど近い場所で山中のダム湖畔にあります。
平安末期の源義家の頃から伝わる(つなぎ温泉の語源となったのは、その源義家が愛馬をつないでいた"つなぎ石"だそうです)由緒ある温泉地で、以降現代に至るまで盛岡観光や商用訪問での奥座敷として親しまれています。

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さて、次は問題の"空欄"観光地です。先ほどの「秋田新幹線ヒント」でわかる方もいらっしゃるかと思いますが、ここに当てはまるのは選択肢ウ.の田沢湖(たざわこ)です。
田沢湖秋田県側に入った仙北市にあります。円形に近い湖で、日本で最も深い(湖底の海抜は海面下174m!)ことでも知られています。
湖岸には辰子像が建っており、遊覧船やドライブ・キャンプ・サイクリングなどのレジャーで賑わう観光地です。

続いては"みちのくの小京都"角館(かくのだて)へ。市町村合併により田沢湖と同じ秋田県仙北市となりました。
今に残る歴史的な武家屋敷の街並みや川沿いの桜並木をゆっくり散策するのがよいでしょう。

一方で、選択肢ア.の榛名湖(はるなこ)は群馬県高崎市東吾妻町にまたがる湖です。と言っても位置は伊香保温泉の西側辺りにあります。
桜・水仙やゆうすげの花、紅葉など四季を通じて自然が楽しめ、ボート・ハイキング・ワカサギ釣りなどレジャーのメニューも盛りだくさんです。

選択肢イ.の十三湖(じゅうさんこ)は、青森県津軽半島日本海側に位置する汽水湖です。なお、青森県には"青池"で有名な十二湖(じゅうにこ、青森県深浦町)が別にありますので、そちらと取り違えないようにしましょう。 
十三湖シジミ産地として知られ、また白鳥の渡来地としても有名です。

選択肢エ.の十和田湖(とわだこ)は青森県十和田市)と秋田県小坂町)にまたがります。
新緑や紅葉の時期に特に賑わいますが、十和田湖だけでなく流れ出る奥入瀬川に展開する奥入瀬渓流とのセット観光も人気があります。


 

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【過去問解説】 標準旅行業約款「旅行相談契約の部」 (令和3年出題)

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旅行業者が行う旅行相談はきちんとした報酬が発生する一つの立派な業務です。
ゆえに約款もきちんと定められています。旅行相談契約特有の事項も押さえておきましょう。

令和3年 約款 問題1(20) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅行相談契約の部に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者が作成した旅行の計画に記載した運送・宿泊機関等について、満員等の事由により、運送・宿泊機関等との間で当該機関が提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供を受ける契約を旅行者が締結できなかったとしても、旅行業者はその責任を負うものではない。

選択肢イ.
旅行業者が、相談に対する旅行業務取扱料金を収受することを約して、旅行者の委託により、旅行地及び運送・宿泊機関等に関する情報提供を行うことを引き受けることは、旅行相談契約の業務のひとつに該当する。

選択肢ウ.
旅行相談契約においては、旅行者の承諾があった場合に限り、契約書面の交付を省略することができる。

選択肢エ.
旅行業者が、旅行者から電話による旅行相談契約の申込みを受け付ける場合、契約は、当該旅行業者が当該契約の締結を承諾した時に成立する。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢ウ.です。

旅行相談契約においてはそもそも契約書面の交付義務がありません。
よって、「旅行者の承諾があった場合に限り省略できる」という表現は間違っています。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.は約款(標準旅行業約款 旅行相談契約の部)第6条「当社の責任」で定められています。
旅行業者の責任範囲は求めに応じて適切な旅行計画を作成するところまでであり、実際に旅行者が旅行サービスの契約に至れなかったとしても債務不履行にはなりません。
そのようなケースであっても旅行者には相談料金の支払義務が生じます。

選択肢イ.も"正しい"です。
旅行相談契約には下記の業務が挙げられています。
・旅行者が旅行の計画を作成するために必要な助言
・旅行の計画の作成
・旅行に必要な経費の見積り
・旅行地及び運送・宿泊機関等に関する情報提供
・その他旅行に必要な助言及び情報提供

選択肢エ.も"正しい"です。
旅行相談契約においては、申込時の申込書は存在しますが申込金の支払はありません。
よって、この設問のように通信手段を利用した申込の際には申込書の提出無しで口頭承諾により契約を成立させることも可能です。
もっとも、契約に際して相談料金が発生する点もありますので、取引条件の説明まで全て省くわけにはいかず、その説明(確認)を行った上で契約締結することにはなります。

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【過去問解説】 旅行業法「旅行業者代理業者」 (令和3年出題)

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旅行業者代理業者に関する規定をまとめた問題です。
旅行業者と旅行業者代理業者の違いを再認識しておきましょう。

令和3年 法令 問題(20) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
旅行業者代理業者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない。

選択肢イ.
旅行業者代理業者の登録は、所属旅行業者の登録の有効期間が満了したことによりその登録が効力を失い、旅行業の登録が抹消されたときは、その効力を失う。

選択肢ウ.
所属旅行業者は、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずるが、当該所属旅行業者がその旅行業者代理業者への委託につき相当の注意をし、かつ、その旅行業者代理業者の行う旅行業務につき旅行者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りではない。

選択肢エ.
旅行業者代理業を営もうとする者は、100万円以上の財産的基礎を有していなければ、新規登録を拒否される。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢エ.です。

財産的基礎(基準資産額)が求められているのは旅行業者(第1種・第2種・第3種・地域限定)であって、旅行業者代理業者や旅行サービス手配業者においては財産的基礎が不問となっています。また、営業保証金の供託あるいは弁済業務保証金分担金の納付もありません。
旅行業者代理業者はその分開業のハードルが低いとも言えますが、業務の制限(所属旅行業者ありき)も存在します。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.は旅行業法第14条の3「旅行業者代理業者の旅行業務等」で規定されています。
必ず所属旅行業者の名を明示して、自らは旅行業者代理業者であることを示さなければいけません。自身が独立した旅行業者であったり、所属旅行業者そのものであるような誤認表示は禁じられています。

選択肢イ.は旅行業法第15条の2「旅行業者代理業の登録の失効」に登場します。
所属旅行業者あっての旅行業者代理業ですから、所属旅行業者が登録抹消になった場合は自動的に旅行業者代理業者も資格を失います。
別の所属旅行業者が見つかれば再び開業できますが、その場合は再度新規登録することになります。

選択肢ウ.も"正しい"です。
旅行業者代理業者が発生させた損害については基本的には所属旅行業者が負うことにはなりますが、ただし日頃から相応の注意を行い、また損害発生防止に努めたことが十分判断されるケースであれば免責が認められることがあります。

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【過去問解説】  観光モデルコース(新山口駅発) (令和3年出題)

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観光モデルコース問題の2問目は中国地方から。山口県より広島県に向かうルートのようです。
道中を想像するとこちらも楽しくなってきますね。

令和3年 国内実務 問題8(2) 配点2点/100点

以下の設問の行程について、前後に最も近い観光地を、選択肢の中から1つ選んで"空欄"を埋め、モデルコースを完成させなさい。

新山口駅 → 防府天満宮 → (空欄) → 宮島 → 広島駅

選択肢ア. 錦帯橋
選択肢イ. 後楽園
選択肢ウ. 通潤橋
選択肢エ. 天赦園

 

 

出発地の新山口駅はかつて"小郡駅"を名乗っていました(2003年まで)。当時は小郡町という町(市ではない)にある新幹線駅としても知られていましたが、その後に新幹線のぞみ号停車化に合わせて新山口駅に改称、現在は市町村合併山口市の一部となった経緯があります。
また、この駅はSLやまぐち号の出発駅としても有名です。

今回の出題ルートは東の方向へ向かっています。
最初の立ち寄り先は防府天満宮(ほうふてんまんぐう)、山口県防府市にある神社です。天満宮の名の通り菅原道真を祀っており、しかも「日本最初に創建された天神様」と言われています。
防府市には毛利家に縁のある毛利邸(毛利博物館、毛利氏庭園)などの観光スポットもあります。

この次が"空欄"観光地ですが、防府市と宮島のルート上にあるのは選択肢ア.の錦帯橋(きんたいきょう)です。

錦帯橋山口県岩国市にあります。ちなみに近くにある岩国飛行場の愛称は「岩国錦帯橋空港」になっています。
江戸時代に架橋された5連のアーチが美しい木造橋で、釘は1本も使われず組木技術で作られています。
岩国城吉香公園(さくらの名所)とのセット観光もおすすめです。

続いて向かうのは日本三景でもある安芸の宮島広島県廿日市市)、厳島神社をはじめ見どころが満載です。
ロープウェイで弥山(みせん)に登ってもよし、野生のシカや水族館、グルメ(かき、アナゴ)など様々な楽しみ方が選べます。

一方で、選択肢イ.の後楽園(こうらくえん)は岡山市にある庭園(日本三名園の一つ)で、今回のモデルコースルートからは外れます。
江戸時代に岡山藩主の池田綱政によって造営され、現在は国の特別名勝に指定されています。
烏城(うじょう)と呼ばれる岡山城は川を挟んだ対岸にあり、後楽園側から見た借景にもなっています。

選択肢ウ.の通潤橋(つうじゅんきょう)は熊本県山都町にあります。
谷を挟んだ対岸に水を通すための水路橋で、石造の単アーチ橋構造になっています。
通潤橋名物の"放水"は元々は水路のゴミを取り除くための機能でしたが、いつしか観光名物となり、有料での橋上観覧も行われるようになりました。

選択肢エ.の天赦園(てんしゃえん)は愛媛県宇和島市にある庭園です。
宇和島藩主の伊達宗紀が造営した大名庭園で、珍しい種類の竹(伊達家の家紋に由来)や藤などが植えられています。

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【過去問解説】 標準旅行業約款「団体・グループ手配」 (令和3年出題)

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企業や一般の団体・グループが幹事さんを通じて申し込んでくるのが「団体・グループ手配」です。
貸切バスの申込であったり、ホテルの団体予約であったり、日常的によく見られるケースですね。

令和3年 約款 問題1(19) 配点4点/100点

標準旅行業約款に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
手配旅行契約の部「団体・グループ手配」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

a.旅行業者は、特約を結んだ場合を除き、契約責任者は構成者の手配旅行契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなし、当該団体・グループに係る旅行業務に関する取引は、当該契約責任者との間で行う。
b.契約責任者は、旅行業者が定める日までに、構成者の名簿を旅行業者に提出し、又は人数を旅行業者に通知しなければならない。
c.旅行業者は、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、何らの責任を負うものではない。

選択肢ア. a,b
選択肢イ. a,c
選択肢ウ. b,c
選択肢エ. a,b,c

 

 

「団体・グループ手配」には必ず出てくる用語があるので、まずそれを確認しておきましょう。
契約責任者 ・・・ 一般で言うところの幹事さんに相当し、旅行業者に申し込んできた代表者を指します
構成者 ・・・ 該当する団体またはグループの旅行に参加するメンバーのことを指します。

この問題ではaから順番に正誤を見ていきましょう。

まず、aは"正しい"です。
旅行業者と該当する団体・グループにおける契約締結の際には、実際に申し込んできた契約責任者(幹事さん)のほかには誰も登場しません。
必然的に契約締結を含めた一切合切の取引はこの契約責任者を相手に行うしかありません。当然ながら契約責任者は一切の代理権を有しているという判断になります。

bも"正しい"です。
さすがに構成者の人数通知も何もなければ手配の上で困るでしょうからこれはあり得ないとして、一般的には名簿提出を行うのが無難です。
例えば航空券手配を伴う場合であれば逆に名簿提出は必須ですし、宿泊施設であれば部屋割り(部屋数確保)において氏名以外に性別や年齢などの情報を参考にするケースもあります。

cも”正しい”です。
ここで言う「債務又は義務」の具体的な例としては、例えば構成者に対しての情報伝達(行程や旅行サービス内容)であったり、構成者からの旅行代金集金(まとめて旅行業者へ支払)などが挙げられます。こういった実務は旅行業者が代行するわけではなく契約責任者(幹事さん)の務めですね。

以上によりこの問題の正解(正しいものの組み合わせ)は選択肢エ.(a,b,c)となります。

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【過去問解説】 旅行業法「受託契約」 (令和3年出題)

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旅行業者(旅行業者代理業者)が他社の募集型企画旅行商品を代理販売できる「受託契約」に関する出題です。
ただし、当事者が旅行業者か旅行業者代理業者かによって扱いは変わります。

令和3年 法令 問題(19) 配点4点/100点

以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
受託契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢ア.
旅行業者代理業者は、所属旅行業者の承諾がある場合に限り、他の旅行業者との間で、自ら受託契約を締結することができる。

選択肢イ.
旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、複数の他の旅行業者と受託契約を締結することはできない。

選択肢ウ.
委託旅行業者及び受託旅行業者は、受託契約において、委託旅行業者を代理して企画旅行契約(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を締結することができる受託旅行業者の営業所を定めておかなければならない。

選択肢エ.
旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、代理して企画旅行契約を締結する場合にあっては、当該他の旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業の登録を受けなければならない。

 

 

タイトルには「受託契約」とありますが、旅行業法を参照する場合には第14条の2を見てください。「企画旅行を実施する旅行業者の代理」の項です。

この問題の正解(正しいもの)は選択肢ウ.です。

受託契約自体は旅行業者対旅行業者(例えばA社とB社)で締結されますが、締結さえすればどの営業所でも代理販売できるというものではありません。
締結の際には併せて代理販売を任せる営業所の一覧も定めておかなければいけないのです。もちろん、該当全営業所でも構いませんし、一部(例えば特定の都道府県だけ)でもよいのですが、いずれにせよ無届ではいけません。改変も同じで、営業所の新設などに合わせて対象営業所の見直しを行います。

これ以外の選択肢はいずれも"誤り"です。

選択肢ア.はよく知られた話かとは思いますが、旅行業者代理業者が受託契約を締結できる相手は1社だけです。理由の如何を問わず、複数社でもゼロ社でもいけません。
ただ、便宜的なケースが存在し、
委託旅行業者(A社)→所属旅行業者(B社)→旅行業者代理業者(C社)の間でそれぞれ受託契約が成立する場合は、C社はB社だけでなくA社の商品も販売することができます。(ただしこの場合、A社とB社の締結の際に選択肢ウ.にあるようにC社営業所を対象営業所に含めておく必要あり)

選択肢イ.と選択肢エ.も"誤り"です。
前述の通り、旅行業者代理業者であれば契約締結先は1社だけですが、これが旅行業者になると複数社を相手に受託契約を結ぶことが可能になります。
また、旅行業者は旅行業者代理業者の登録を新たに受ける必要がなく、旅行業者登録のままで受託契約を取り交わせます。

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