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【過去問解説】 旅客鉄道会社(JR)旅客営業規則 (令和4年出題)

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個人で旅行する分にはJRの営業規則もそれほど難しいものではありません。時刻表を見ればたいていのことは載っています。
団体の取り扱いは日頃なかなか縁もないことだし難しいですね。過去問でよくあるパターンをつかんでおきましょう。

令和4年 約款 問題4 配点4点/100点

旅客鉄道会社(JR)の旅客営業規則に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

選択肢ア.
大口団体とは専用臨時列車を一口の団体だけで利用する場合(旅客鉄道会社の定める両数以上を利用するときを含む。)の団体旅客をいい、小口団体とは大口団体以外の団体であって、当該団体の構成人員によってA小口団体とB小口団体に区分される。

選択肢イ.
幹線と地方交通線にまたがる片道乗車券において、乗車区間営業キロが396.2キロメートル、運賃計算キロが422.1キロメートルの場合、乗車券の有効期間は4日間である。

選択肢ウ.
旅客鉄道会社は、訪日観光団体に対しては、団体旅客が15人以上50人までのときはうち1人、51人以上のときは50人までごとに1人を加えた人員を無賃扱人員として旅客運賃を収受しない。

選択肢エ.
団体乗車券を所持する旅客の使用開始後における指定券に関する変更については、原団体乗車券に表示された列車が乗車駅を出発する時刻の2時間前までに係員に申し出て、その承諾を受けた場合であって、かつ、輸送上の支障がない場合に限り、1回に限って取り扱われる。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。

乗車券の有効期間は、
営業キロ100キロまでは1日(乗車当日のみ)
・101キロ以上200キロまでは2日
・以降、200キロごとに1日を加える
計算式だと、(n ÷ 200)→ 切り上げしてプラス1 となります。
例えば 700キロ ÷ 200 =3.5 → 切り上げて4 プラス1して 5日間有効。
なお、ここで用いるキロ数は営業キロであって、運賃計算キロではありません(この問題で運賃計算キロを持ち出しているのは単なる"引っ掛け"です)。
よって、選択肢イ.は正しくは 396.2 ÷ 200 → 切り上げしてプラス1 で 3日間有効となります。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.は団体の区分に関する定義です。
団体の区分と言えば、まず「学生団体」「訪日観光団体」「普通団体」が思い浮かぶところですが、それ以外にも構成人数の違いによるものがあります。
"大口団体"はまあ一般的にも使われるような言葉ですが、JRでは一つの貸切列車を丸ごと仕立てるような団体のことを指しています。そうでない場合、何人いようが小口団体となります。そのうち、31人以上であればA小口団体、30人以下(8人以上)であればB小口団体と呼ばれます。
ただ、余談ですがこの小口団体のA・B区分にそもそも何の意味があるのかは不明です。

選択肢ウ.は団体の無賃扱いに関する規定です。そこそこ出題されるのでしっかり覚えておきましょう。
訪日観光団体と普通団体それぞれで(ちなみに学生団体には無賃扱い人員はありません)、
訪日観光団体 ・・・ 15名以上で1名が無賃扱い
普通団体 ・・・ 31名以上で1名が無賃扱い
となり、以後はどちらも51名・101名・151名と50人のラインを超えるごとに1名分が追加されていきます。

選択肢エ.は、団体乗車における指定席(指定列車)変更に関する規定です。行程通りに行動するのが原則の団体旅行でも、突発トラブル(遅延など)によってはあり得る話ですね。
・指定列車の出発前であること
・変更は1回限り
この辺は個人の場合と同じです。団体の場合は、
・出発時刻の2時間前まで
・輸送上の支障がない場合(スムーズに行動できるか等)
などの条件が加わります。現地での対応になるので(設問文にあるように"使用開始後"の場合の規定です)、その駅で対応できるかどうかも肝心です。添乗員さん・幹事さんはさぞ気が気でないことでしょう。

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