【過去問解説】 観光モデルコース(倉敷駅発) (令和4年出題)
国内旅行業務取扱管理者試験では定番の観光モデルコース問題の登場です。
モデルコースの作成は、大なり小なりどなたも一度は経験のある作業でしょう。
令和4年 国内実務 問題9(1) 配点2点/100点
以下の設問の行程について、前後に最も近い観光地を、選択肢の中から1つ選んで"空欄"を埋め、モデルコースを完成させなさい。
倉敷駅 → (空欄) → 金刀比羅宮 → 津田の松原 → 徳島阿波おどり空港
選択肢ア. 大鳴門橋
選択肢イ. 関門橋
選択肢ウ. 瀬戸内しまなみ海道
選択肢エ. 瀬戸大橋
旅行や観光地に限らず、複数の目的地がある場合に効率のよい回り方をするのが"モデルコース"です。
それぞれの地点の位置関係・距離(所要時間)・アクセス手段(交通機関や道路があるか)などを考慮して組み立てる必要があり、ときには時間帯(その時刻に営業しているか、見ごろの時間は?)も意識することもあります。意外と大変でもあり、かつ楽しい作業でもあります。
今回の出題では、倉敷駅(岡山県)から徳島空港(徳島県)に向かうルートです。頭の中に地図が浮かびますか? 慣れない方は手元に地図を開いて実際のコースを目で追ってみましょう。
倉敷駅の次がいきなり空欄で、その次が金刀比羅宮となっています。この字だとピンとこない方もおられるかと思います。読みは「ことひらぐう」、つまりあの「こんぴらさん」(香川県琴平町)のことです。
となると、間の空欄箇所に出てくるのは何かわかりますね。この問題の正解は、選択肢エ.の瀬戸大橋(せとおおはし)です。
ルートに沿って見ていきましょう。
瀬戸大橋は、岡山県倉敷市と香川県坂出市を結んで架橋されています。正確には1本ではなく、この間にある10箇所の橋から成る"総称"で、道路橋(瀬戸中央自動車道)と鉄道橋(JR四国)の併用になっています。ルート途上の島々を含め、瀬戸内海の眺望が楽しめることでも人気です。
次は先ほどの金刀比羅宮(ことひらぐう)、瀬戸大橋を降りた坂出市からほど近い距離の琴平町にあります。
本宮まででも785段ある石段をひたすら登っていくことで有名ですね。時間がかかりますので日程には余裕をもちましょう。
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津田の松原(つだのまつばら)は、そこから高松市を通り過ぎて海岸沿いを徳島方向へむかった香川県さぬき市にあります。
瀬戸内海国立公園にも含まれる景勝地で、江戸時代に植林された防風林の眺めが美しく、「日本の渚百選」にも選ばれています。
あとは徳島空港に向かうだけとなっていますが、このコースであれば他にも高松市(高松城・栗林公園など)・屋島(屋島の合戦)・鳴門(うずしお)などもおすすめですね。
他の選択肢も見ておきましょう。
選択肢ア.の大鳴門橋(おおなるときょう)は淡路島(兵庫県)と徳島県鳴門市の間を結んでいます。
今回のコースのゴールが徳島空港なので、近いと言えば近いのですが、神戸市や淡路島を経由しているので香川県を通らなくなってしまいます。
選択肢イ.の関門橋(かんもんきょう)は、山口県下関市と北九州市門司区を結んで"関・門"です。橋を渡っているのは高速道路(関門自動車道)だけで、国道(2号線)とJRの新幹線・在来線は海底トンネルで海峡をくぐっています。
選択肢ウ.の瀬戸内しまなみ海道(せとうちしまなみかいどう)は、広島県尾道市と愛媛県今治市の間を結びます。
本州と愛媛県の間の往来需要の他、経由する島々の生活路線や島めぐり観光にも機能します。
このルートは自転車の通行が可能なのが特徴的で、サイクリングを楽しみに来る観光客でも賑わいます。