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【過去問解説】 世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」 (令和4年出題)

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近年になって話題に上る機会が多くなってきた「世界遺産」や「ラムサール条約」。旅行業務試験においても登場頻度が増してきています。
"構成資産"や特徴などが問われるケースが多く、他の"観光地選択"問題と比べて一筋縄ではいかないものが多いのでご用心ください。

令和4年 国内実務 問題8(1) 配点2点/100点

日本国内における世界遺産ラムサール条約・国立公園に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢ア.
古くから信仰対象となった神聖な山であり、近世には江戸とその近郊を中心に「富士講」と呼ばれる富士山信仰が隆盛した。

選択肢イ.
山中には修験道の聖地として名高い大峰山寺や、根本道場の金峯山寺がある。

選択肢ウ.
構成資産には山中湖、河口湖など富士五湖のほか、海岸の三保松原も含まれている。

選択肢エ.
全国の浅間神社総本宮である富士山本宮浅間大社は構成資産の1つである。

 

 

世界遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」は2013年の登録ですが、自然遺産ではなく文化遺産であることが当時から話題になっていました。
日本を代表する富士山や富士五湖、白糸の滝などは純粋に自然系の構成資産と言えますが、富士山信仰や果ては万葉集から富嶽三十六景に至る"芸術のモチーフ"まで取り入れた文化系(と言うより本当なら複合型?)で無事に世界遺産登録を果たしました。


 

さて、この問題の正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。

大峰山寺(おおみねさんじ、大峯山寺とも書く)と金峯山寺(きんぷせんじ)は共に奈良県吉野郡にあり、こちらは世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産です。
旅行業務試験の世界遺産問題対策においては、まずそれぞれ構成資産を覚えることが第一歩です。例えば今回の出題で「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」のことを仮に全く知らなかったとしても、逆に「大峰山寺は"紀伊山地"の構成資産」が頭に入っているだけで正解に辿り着けます。全部覚えなくてもよいので代表的なところは必ず押さえておきましょう。

それ以外の選択肢は全て"正しい"です。

選択肢ア.は一見正しそうに見えます。いや実際正しいのですが、このように特徴の正誤を問う形式で出されると、正直なところ本当に正しいと言い切れるか決め手に欠けますね。"誤り"選択肢ならともかく。
ここは他の選択肢に頼って"消去法"に任せるのがベターかもしれません。

選択肢ウ.はいわくつきの「三保松原」(みほのまつばら、静岡市清水区)を入れているところに出題者の隠された想いを感じます。
三保松原は登録前の"イコモス勧告"で構成資産に含まれない(除外する)ことになっていました。距離が離れていて一体性が認められないというのがその理由でしたが、日本政府はこれを拒否。芸術面での寄与(浮世絵の題材ほか)のアピールが実り、正式に構成資産に入った上で登録の日に至りました。

選択肢エ.の富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)は、静岡県富士宮市にありますが、"奥宮"が富士山頂にあることでも知られています。
富士山を神体とし、富士山の神霊とも言われるコノハナノサクヤビメを祭神とする浅間大社総本宮は、まさに富士信仰の象徴的存在です。

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