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【過去問解説】 阿寒湖ほか (令和4年出題)

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ここからは「国内実務」観光地選択問題を続けてまいります。
いよいよ始まった9月3連休×2! 中にはこれらの観光地にお出かけする方もいらっしゃるでしょうね。

令和4年 国内実務 問題6(3) 配点2点/100点

次の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
アイヌ語で"大きな窪地"を意味する言葉が語源と言われるカルデラ湖で、日本で2番目の深度と有数の透明度を誇り、生息するヒメマスを使った"チップ料理"でも知られる湖は、次のうちどれか。

選択肢ア. 阿寒湖
選択肢イ. 屈斜路湖
選択肢ウ. 支笏湖
選択肢エ. 洞爺湖

 

 

正解は(設問の文章に当てはまるのは)選択肢ウ.の支笏湖(しこつこ)です。

アイヌ語"大きな窪地"は厳密に言えば支笏湖ではなく支笏川(当時)を指すのだそうです。(支笏湖は「支笏川の源の湖」で命名
その後、支笏川の方は「縁起が悪い」(死骨を連想)とされ、180度真逆の「千歳川」に改名。ここから現在の千歳市新千歳空港の名前に繋がり、"支笏"は湖に名が残りました。
"チップ"(これもアイヌ語で"魚")の呼び名は北海道外の方には馴染みが薄いですが、私は支笏湖にほど近い苫小牧駅の駅弁の名前で知っていました。
古くは「シシャモ・チップ・マス寿司」、現在は季節限定ですが「チップ姿寿司」というのがあるのだそうです。支笏湖がヒメマス養殖事業の先駆けになったことに由来します。

さて、この出題では設問文の中に"アイヌ語"を使っている以上、残りの選択肢も全て北海道内です。そのせいもあって、解くのに苦労された方もいらっしゃるのでは?
特徴(キーワード)を覚えて、違いを見分けられるようにしましょう。

選択肢ア.阿寒湖(あかんこ)は、道東地区にあります。釧路から北見・網走方面へ抜ける国道240号でのアクセス(バス)が便利でしょう。
一番の有名どころは"マリモ"。生育には阿寒湖の特性(傾斜と水温)が大きく関係しているのだそうです。
"カルデラ湖"と"ヒメマス"は支笏湖と共通ワードですね。実は支笏湖のヒメマスは元々は阿寒湖が発祥で、阿寒湖から支笏湖へ持ち込んだことから養殖事業が発展しました。
阿寒湖は「ラムサール条約登録湿地」でも名前が登場します。

選択肢イ.の屈斜路湖(くっしゃろこ)も道東地区、と言うより阿寒湖の近くにあり、ともに「阿寒摩周国立公園」の一員です。観光資源的には雄大な自然風景と周辺の温泉を売りにしています。
こちらも"カルデラ湖"ですが、その特色の一つがこの湖の中にある「中島」(日本最大の湖中島)です。カルデラが形成された後に溶岩ドームの小さな山ができ、湖の中にある島という形で残りました。
ちなみに、ラムサール条約登録湿地の「クッチャロ湖」(道北の浜頓別町にあります)は全く別の湖なので混同しないように。
ややこしいのもそのはず。語源がアイヌ語で"沼の水が流れ出る口"で全く同じだからです。

選択肢エ.は洞爺湖(とうやこ)。2008年の「北海道洞爺湖サミット」で名前を知った方も多いことでしょう。室蘭市の北西辺りの洞爺湖町壮瞥町にあります。
同じく"カルデラ湖"、よってこの設問では見分けキーワードとして機能しません。
支笏洞爺国立公園」の一員ですが、このエリアには先ほどの支笏湖を含め、羊蹄山有珠山昭和新山定山渓温泉登別温泉など国内旅行業務取扱管理者試験でも頻出の有名観光地が集中していますので、ぜひ一通り頭に入れておくことをおすすめします。
加えて、洞爺湖地区は、地質資産の保護や自然環境・地域文化への繋がりを探究する「洞爺湖有珠山ジオパーク」としてもユネスコ登録されています。

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