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【過去問解説】 旅行業法「業務の範囲」 (令和4年出題)

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今回は「法令」科目の中でも一つのキーポイントである「旅行業の登録種別」を取り上げます。
第1種旅行業と第2種・第3種・地域限定ってどのように違うのでしょう?

令和4年 法令 問題(4) 配点4点/100点

旅行業法及びこれに基づく命令に関する以下の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理者を選任しているものとする。)。

選択肢ア.
第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。

選択肢イ.
第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の実施に係る旅行業務を取り扱うことはできない。

選択肢ウ.
第3種旅行業者は、本邦外のすべての旅行業務を取り扱うことはできない。

選択肢エ.
地域限定旅行業者は、一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。)の区域、これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域についてのみ、企画旅行を実施することができる。

 

 

今回も原文である旅行業法には細かく記されていません。一応第4条「登録の申請」の第1項 第3号がこの内容に相当しますが、"第1種"の文字も何も出てきません。
例によって細則である「旅行業法施行規則」を検索してください。そちらでは第2章 第1節 第1条の3「業務の範囲」に載っています。
ですが、そっちを見ても文章が難解すぎて正直読み取れないんですよね。。。 なので、噛み砕いて解説していきます。

話が長くなるので、先に今回の問題の答えを言っておきましょう。
正解(誤っているもの)は、選択肢ウ.です。

◎第1種旅行業の業務範囲
6つの旅行業務全てを取り扱える最上位種別です。その6つとは、
・海外の募集型企画旅行
・国内の募集型企画旅行
・海外の受注型企画旅行
・国内の受注型企画旅行
・海外の手配旅行
・国内の手配旅行
厳密に言えば、旅行業者の営業行為にはこの他にも、
・旅行に関する相談業務
・他社が実施する募集型企画旅行の代理締結(代理販売)
などがあります。

◎第2種旅行業の業務範囲
上記で述べたもののうち、
・海外の募集型企画旅行
だけが扱えません。それ以外は同じです。

◎第3種旅行業の業務範囲
・海外の募集型企画旅行
・国内の募集型企画旅行
が扱えません。というのが"昔の"第3種旅行業でした。現在は法改正され、
・地域限定旅行業が取り扱える(同等の)国内募集型企画旅行(後述します)ならOK
と制限緩和されました。

◎地域限定旅行業の業務範囲
まず最初に、文字通り地域(エリア)が限定されています。
・その営業所の所在地
・それに隣接する市町村
・または観光庁長官が別途定めた地域内
に完結(出発地・目的地・宿泊地・帰着地)するという条件を満たした上で、
・国内の募集型企画旅行
・国内の受注型企画旅行
・国内の手配旅行
が扱えます。当然ですが海外には出られません。

◎第2種旅行業は募集型企画旅行を取り扱えない?
意外とよく出題されます。
先ほどの解説を見れば一目瞭然ですね。扱えないのは「海外の募集型企画旅行」だけで国内版はOKです。
よって、この出題パターンはミスリード(引っ掛け)です。注意しましょう。

◎第3種旅行業は募集型企画旅行を取り扱えない?
先述した通り、"かつては正しい"内容でした。現在は(平成24年に地域限定旅行業が創設された法改正以降は)少し緩和されたので、この限りではありません。

◎第2種・第3種は海外旅行を取り扱えない?
引っ掛けの亜種ですね。旅行=募集型企画旅行 のイメージで短絡勘違いしてしまうとこの罠に嵌ります。
「海外の受注型企画旅行」「海外の手配旅行」は取り扱えるのです。よって、今回の問題の選択肢ウ.は"誤り"です。

◎さすがに「地域限定旅行業は海外旅行を取り扱えない」ですよね?
これも厳密に言えば違うと思います。なぜなら、
・旅行に関する相談業務
・他社が実施する募集型企画旅行の代理締結(代理販売)
は地域限定旅行業でも行え、これらの中身に国内外の区別が無いからです。
ただ、この2つを"海外旅行の取り扱い"と呼ぶかどうかは解釈が分かれます(もし出題したら物議を醸しそう)。なので、この問題(地域限定旅行業は海外旅行を取り扱えない?)の出題は避けられると考えてもよいでしょう。

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