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【過去問解説】 一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款 (令和3年出題)

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「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」とは貸切バス会社が定める約款の一つです。
旅行業者が採用する標準旅行業約款と同様に、貸切バスの場合にもベースとなる標準的規定が定められています。

令和3年 約款 問題2 配点4点/100点

一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

選択肢ア.
ガイド料、有料道路利用料、航送料、駐車料、乗務員の宿泊費等当該運送に関連する費用は、契約責任者の負担とする。

選択肢イ.
バス会社は、契約責任者から運送申込書の提出時に所定の運賃及び料金の15%以上の支払いがあったときには、所定の乗車券を発行し、これを契約責任者に交付する。

選択肢ウ.
旅客が車中で泥酔し、他の旅客の迷惑となるおそれがあることから、バス会社がその後の運送の継続を拒絶したときは、バス会社は、当該旅客について当該運送契約に係る運送の全部が終了したものとみなす。

選択肢エ.
バス会社は、天災その他当該バス会社の責に帰することができない事由により輸送の安全の確保のため一時的に運行中止その他の措置をしたときは、これによって旅客が受けた損害を賠償する責に任じない。

 

 

旅行業務試験においては貸切バスの標準的約款に当たる「一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款」の範囲内で出題されます。
このワードで検索できるので、ぜひ一度中身を確認してみてください。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢イ.です。

細かい話ですが、イ.の文面で間違っているのは「15%以上の支払いがあったとき」の箇所で、正しくは20%以上です。
旅客(契約責任者)はバス会社に運送契約を申し込む際に所定の運送申込書を提出します。規定ではこの時点で運賃・料金の20%以上を支払うことが求められており、それに対して契約成立の証として乗車券が交付されます。
ちなみに、残額は配車前日までに支払えばよいとされています。
ただし、この支払規定はあくまで一般の取引に際しての話であり、例えば学校団体や常時取引のある相手先であれば相談などにより適宜便宜が図られます。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.においては、ここに挙げられたガイド料、有料道路利用料その他は「その他実費負担分」として取り扱われます。
貸切バスの運賃・料金とは厳密に言えば違いますが、運送契約に付帯して発生する実費は利用者(この場合契約責任者)負担であり、運賃・料金とともにバス会社へ支払っておくケースもあれば、ものによっては行程途中で契約責任者自身が現地支払いすることもあります。

選択肢ウ.も"正しい"です。
約款第4条「運送の引受け及び継続の拒絶」にはバス会社側から以降の運送契約拒否となる事例が挙げられており、"泥酔"もその一つです。
また、その後の措置(当該旅客について当該運送契約に係る運送の全部が終了したものとみなす)は第17条「運送継続拒絶の場合」に記されています。

選択肢エ.も"正しい"です。
貸切バスにおいても一般慣習でいうところの賠償規定は存在しますが、天災等止むを得ない事由による運行中止はさすがに適用対象外として、あらかじめ除外規定が設けられているのです。(約款第22条)

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