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【過去問解説】 鹿島神宮ほか (令和3年出題)

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観光先や地理に関する知識が問われる「国内旅行実務」(通称:国内実務)科目。
この設問では、ある神社の特徴が述べられています。いずれも有名どころですが、果たしてどれが正解でしょう?

令和3年 国内実務 問題5(2) 配点2点/100点

次の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
源頼朝が現在の地に基礎をつくり、「武運の神」として人々の信仰を集めた神社で、国の重要文化財である本宮(上宮)、若宮(下宮)や由比ヶ浜海岸から延びる若宮大路(参道)で知られる神社は、次のうちどれか。

選択肢ア. 鹿島神宮
選択肢イ. 宇佐神宮
選択肢ウ. 鶴岡八幡宮
選択肢エ. 三嶋大社

 

 

正解は(設問の文章に当てはまるのは)選択肢ウ.の鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)です。

もしこれが今年(令和4年)の出題だったら、きっと正解率はアップしていたんでしょうね。折しも某局大河ドラマで源氏が取り上げられているところですし w
ただし、引っ掛けあり? 後述します。

鶴岡八幡宮は神奈川県鎌倉市にあり、それを知っていれば、「由比ヶ浜」(同じく鎌倉市)の記述からも正解にたどり着けます。4つの選択肢の中で、ウ.だけがわかりやすい地名を冠していないことに"地名から悟らせまい"という出題者の意図を感じるのは私だけでしょうか。
この神社が「八幡宮」である由来は、京都の石清水八幡宮にあります。元々の創建は源頼朝ではなく、先祖にあたる河内源氏が鎌倉の地に石清水八幡宮の神霊を分けて社殿を整備したことに始まります。
その後、その社殿が消失した際に、頼朝が再建したと言われています。以後、鎌倉武士の守護神としてあがめられるようになりました。

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さて、今回も残りの選択肢に触れてみます。それぞれどんな神社なんでしょうか。

選択肢ア.の鹿島神宮(かしまじんぐう)は茨城県鹿嶋市にあります。ちなみに市名の方は"山へん有り"の鹿嶋。サッカーの「鹿島アントラーズ」や「鹿島工業地帯」などで位置のイメージがわく方もいらっしゃるでしょう。
武神という意味では、ウ.の鶴岡八幡宮もこちらも同じですが、鹿島神宮については、元々は朝廷や藤原氏に由縁があり、その後の武家社会でも受け入れられるようになったという流れになっています。

選択肢イ.の宇佐神宮(うさじんぐう)は、大分県宇佐市石清水八幡宮と同じ八幡宮の一つですが、こちらは全国八幡宮の総本社となっており、格を感じさせます。
宇佐神宮にも上宮(じょうぐう)と下宮(げぐう)があります。当初は、上宮は「国家の神」(=身分の高い方の参拝用)、下宮は「民衆の神」という違いがあったらしいですが、時代の移り変わりの中で両方参ることが一般的(一方だけだと"片参り"と言われる)に変化しました。


 

 

最後に、選択肢エ.は三嶋大社(みしまたいしゃ)、静岡県三島市です。イ,の鹿島神宮とは市名との"山へん有無"が逆ですね。
先ほど「引っ掛けあり?」と論じたのはこの神社です。こちらは「源頼朝が源氏再興を祈願した場所」であり、設問文冒頭に出てくる源頼朝繋がりの誘導とも言えます。
史実が示す通りに源氏再興は成され、その功からこちらにも崇敬が寄せられることとなりました。

この問題を見て感じるのは、「はずれ選択肢」にもたいてい何かの関連性がある点ですね。
それがときに「引っ掛け」であることもありますが、正解選択肢との間で「何が共通点なんだろう」という視点で見直してみると意外と面白い発見があったりします。

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