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【過去問解説】 淡路島ほか (令和3年出題)

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国内旅行実務(国内実務)科目には、大きく分けて次の2種類の問題があり、
1)「運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行業務に関連する料金」(早い話が運送・宿泊の手配に必要な知識)

2)「旅行業務の取扱いに関する実務処理」(主に観光先や地理に関する知識)
で構成されています。

後者は、きっぷや料金計算に詳しくなくても、過去に行ったことのある観光地の思い出(記憶)やガイドブックを見ながら想像旅行を楽しんだことがある人ならある程度は解けていくと思います。
こちらからも実際に1問見てみましょう。

令和3年 国内実務 問題5(1) 配点2点/100点

次の設問について、該当する答を、選択肢の中から1つ選びなさい。
瀬戸内海国立公園の東部に位置し、大鳴門橋明石海峡大橋で四国と本州につながる島で、"花さじき"と呼ばれる県立公園からは明石海峡・大阪湾を背景に四季折々の花が楽しめるのは、次のうちどれか。

選択肢ア. 淡路島
選択肢イ. 生口島
選択肢ウ. 因島
選択肢エ. 小豆島

 

 

正解は(設問の文章に当てはまるのは)選択肢ア.の淡路島(あわじしま)です。

兵庫県に属し、四国側の徳島県との間の海上に横たわる淡路島は、明石海峡大橋(神戸市-淡路市)と大鳴門橋南あわじ市-鳴門市)の架橋による効果で本州と四国に陸路で繋がり、物流や往来の増大に加え、大都市圏から身近な観光地としても大きな飛躍を遂げました。
設問にある「花さじき」は、花の島にふさわしい名所として明石海峡大橋と同時に開設されたもので、見渡しのよい丘陵地域に菜の花やひまわり・コスモスなど季節に合わせた花々が展開し、のちに県立公園として物販・飲食設備などが大幅整備されたことで一大観光地となりました。

 

さて、淡路島のことをよくご存じの方なら選択肢ア.をさっさと選んで終了です。
が、せっかくの機会なので、残りの3つの島についてもここで取り上げておきましょう。

なぜなら、別の年の試験で、これらの「はずれ選択肢」が逆に正答(選択対象)となっている出題がありがちだからです。
この問題に限りませんが、「観光地・地理選択問題」では、残りの選択肢の解説も見ておくことで、1問分を解く以上の知識効果が得られます。

というわけで、選択肢イ.の生口島(いくちしま)の解説です。
位置的には「しまなみ海道西瀬戸自動車道尾道今治ルート)の途中」と言った方が頭に浮かびやすいでしょう。行政区分としては広島県尾道市に属します。
観光では、国の登録有形文化財を擁する「耕三寺」、日本一の生産量を誇る「レモン」(瀬戸田レモンほか)、野外アート展示で有名な「島ごと美術館」などが挙げられます。

続いて、選択肢ウ.の因島(いんのしま)です。実は先ほどの生口島とは「しまなみ海道」繋がりのお隣、生口島の一部が因島市だった時代もありました(現在はどちらも広島県尾道市)。
村上水軍」発祥の地として関連施設が賑わいますが、「除虫菊」(蚊取り線香原料、かつての一大産地)や「八朔」(はっさく)、「囲碁」(本因坊秀策の出身地)などでも知られています。

選択肢エ.の小豆島(しょうどしま)は、岡山県香川県の間の瀬戸内海に浮かびますが、所属は香川県側です。他の選択肢3つと違って今でも本土との架橋は実現しておらず、その代わり海路(高速船やフェリー)が充実、なんと夜行便と呼べるダイヤも存在します。
観光資源には事欠きませんが、「二十四の瞳」(壺井栄の小説)、「寒霞渓」(かんかけい)、「醤油」、「オリーブ」などがキーワードとして押さえどころです。

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