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【過去問解説】 JR券の取扱その2 (令和3年出題)

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この問題は単純に乗車券と特急券の取扱の正誤を問う形になっているように見えますが、実は盲点(規則にきちんと書いていない?)があります。
しっかり覚えて知識に蓄積しておきましょう。

令和3年 国内実務 問題2(3) 配点4点/100点

旅客鉄道会社(JR)に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
無割引の大人1人が6月30日に新横浜駅から東京駅まで新幹線の自由席に乗車するときに必要な次のJR券に関する記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(注1)このJR券の購入、変更、払いもどしは、JRの駅で指定券を発売している時間内に行うものとする。
(注2)このJR券の変更、払いもどしは使用開始前で有効期間内に行うものとする。
(注3)本設問における変更、払いもどしは旅客の都合によるものとする。
(注4)新横浜駅から東京駅までの東海道新幹線を経路とする片道の営業キロは28.8キロである。

◎JR券の内容
・乗車券、新幹線特定特急券を1券片で発行
・新横浜→東京駅間
・乗車券510円、新幹線特定特急券870円、計1,380円
・「乗車券は下車前途無効」の記載有り
・「自由席車にお乗りください」の記載有り

選択肢ア.
このJR券の発売日は6月30日のみである。

選択肢イ.
この特定特急券は、1回に限って指定席特急券に手数料なしで変更することができる。

選択肢ウ.
このJR券を6月30日に払いもどすとき、所定の払いもどしの手数料が差し引かれ940円が払いもどされる。

選択肢エ.
この特定特急券は6月30日のみ有効である。

 

 

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢ア.です。

乗車券(営業キロ100キロ以下)と特定特急券だけなので、乗車当日にしか買えないと思っている方も結構いるかと思います。
JRの営業規則でも「乗車券を指定席券と同時に購入する場合は1か月前の10時から」と書いてあることがありますが、自由席(特定特急券)は言及されていません。
ところが実際に駅の「指定席券売機」で購入すると、指定席の場合はもちろん、自由席券(プラス乗車券)であっても事前購入操作できるのです。これを知っているかどうかがカギになります。
当然、窓口購入で断られるいわれはありません。必要な方は、乗車日・区間・自由席利用であることを述べた上で堂々と事前購入しましょう。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢イ.は特急券の変更に関する規定です。
自由席券や特定特急券は、使用開始前で有効期間内であることを条件に1回目は手数料無しで他の券に変更できます。
変更先は同じ種類(自由席券・特定特急券)だけでなく、指定席券(特急券・グリーン券・寝台券)でも大丈夫です。
逆の変更(指定席券から自由席券・特定特急券)はできません。ただ、指定席券は"乗り遅れ救済策"として後続列車の自由席に便宜乗車できる規定があります。(あくまで便宜措置であって、自由席特急券としての効力(例えば払い戻し)はありません)

選択肢ウ.も"正しい"です。
乗車券の払いもどし手数料が220円、特定特急券の払いもどし手数料も220円、計440円が差し引かれます。
よって、払いもどし額は 1,380-440=940円で合っています。

選択肢エ.も"正しい"です。
選択肢ア.の解説で「事前購入は可能」と述べましたが、この設問の乗車券・特定特急券ともに有効期間が1日限りであることに変わりは有りません。
事前購入の際には乗車日を忘れず申告するようにしましょう。黙っていると発売当日有効の切符が出てきます。

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