【過去問解説】 ＪＲ乗継割引 （令和3年出題）
さっそく１問出題してみます。実際に解いてみてください。
皆さんに馴染みのあるＪＲの運賃・料金関係から「乗継割引」に関する問題です。
令和3年 国内実務 問題２（１） 配点4点/100点
旅客鉄道会社（ＪＲ）に関する設問について、選択肢の中から答えを１つ選びなさい。
乗継割引に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
（注1）乗車に必要な乗車券類は、いずれも最初の列車の乗車前にすべて同時に購入するものとする。
（注2）それぞれの列車の乗車区間内において途中下車はしないものとする。
（注3）選択肢イ．に記載する金額は、記載の利用座席における大人の特急料金の額を示している。
（注4）選択肢ウ．の乗車日は2日にまたがり、選択肢ア．イ．エ．の乗車日は１日とする。
選択肢ア．
下記の特急「しらゆき」のＪＲ信越本線（直江津駅～東三条駅）区間で特急料金に乗継割引が適用される。
富山駅→新幹線「はくたか」→上越妙高駅→特急「しらゆき」でえちごトキメキ鉄道、直江津駅、ＪＲ信越本線経由→東三条駅
選択肢イ．
下記の特急「北斗」の特急料金に乗継割引が適用される。
旭川駅→特急「ライラック」普通車指定席2,360円→札幌駅→特急「北斗」普通車指定席3,170円→新函館北斗駅
選択肢ウ．
下記の特急「かもめ」のグリーン料金に乗継割引が適用される。
１日目：諫早駅→特急「かもめ」グリーン車指定席→新鳥栖駅
２日目：新鳥栖駅→新幹線「つばめ」普通車自由席→博多駅→新幹線「のぞみ」グリーン車指定席→岡山駅
選択肢エ．
下記の特急「あずさ」の特急料金に乗継割引が適用される。
三島駅→新幹線「ひかり」→東京駅→在来線普通列車→新宿駅→特急「あずさ」→上諏訪駅
※おことわり（2022年9月6日加筆）
以降の解説文には古くなった内容が含まれます。最新情報は下記ページから補足ください。
「乗継割引」さらに縮小に ＪＲ西日本・四国特急料金見直し はこちら
正解は（実際に乗継割引が適用されるのは）選択肢ア．です。
ア．は一見すると、間に第３セクター鉄道（えちごトキメキ鉄道）を挟んでいるので対象外か？と思えてしまいますが、このケースは実際に乗継割引対象に例示されていますので、覚えておくことをおすすめします。
・北陸新幹線と特急「しらゆき」を上越妙高駅で乗継し、直江津駅以遠まで乗車する（逆方向も可）
・北陸新幹線とＪＲ七尾線特急（能登かがり火ほか）を金沢駅で乗継し、津幡駅以遠まで乗車する（逆方向も可）
この２例は代表的パターンです。そのはか、
・新幹線と乗り継いだ在来線特急が途中で第３セクター鉄道を通っても構わない（南紀ほか、逆方向も可）
も意外と見落とされがちです。
選択肢イ．は誤りです。
在来線特急どうしの乗継なので、乗継割引対象ではありません。
・片方が新幹線か寝台特急「サンライズ瀬戸」
・もう片方が在来線特急
であるか確認しましょう。
選択肢ウ．も誤りです。
この設問では理由が２つあって、
・グリーン料金は乗継割引されない（特急普通車指定席や自由席が対象）
・九州島内には乗継割引が適用される駅は１つも無い（あとで解説します）
選択肢エ．も誤りです。
この設問のポイントも２つあります。
・東京駅、新宿駅いずれも乗継割引適用駅ではない（あとで解説します）
・間に普通列車や快速列車を挟んでよいのは次の３ケースだけしかない。
新大阪－大阪、岡山－坂出、岡山－高松
いかがでしたか。
日頃から時刻表を読んだりし、この分野に精通している方なら「楽勝」と言える問題です。
ちょっとややこしい箇所がありますが、上記解説で挙げた「特殊なケース」はぜひ覚えておくとよいでしょう。
今回のトピックは「乗継割引が適用される駅・されない駅の見分け方」です。
東海道・山陽新幹線のうち、東京駅・品川駅・小倉駅・博多駅は対象駅ではありません（ダメ）。
残りの各駅が対象駅です。ただもちろん、単独駅（新富士など）や実際に在来線特急が停車しない駅では現実的に使えません。
九州島内は全駅が対象外です。（九州新幹線と前述の小倉・博多はダメ）
あとは丸暗記方式ですが、
新青森・新函館北斗・長岡・新潟・長野・金沢の６駅をまず覚えます。
前述の上越妙高駅－信越本線と金沢駅－七尾線のパターン。（第３セクター鉄道を挟んでもよい）
同じく「普通や快速列車を挟んでよい」で出てきた大阪・坂出・高松の３駅。
（坂出と高松は寝台特急「サンライズ瀬戸」と四国島内特急の乗継でも有り）
これで全部です。
選択肢イ．の札幌駅、ウ．の新鳥栖駅、エ．の東京駅と新宿駅がアウトなのは、このポイントだけでも見抜けます。
