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【過去問解説】 貸切バスの運賃・料金計算その3 (令和3年出題)

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貸切バスの運賃・料金計算は「時間制運賃」「キロ制運賃」を覚えておけば万全、と思いきや意外と細かい設定があるんですね。
この問題はそういう細かい点を突いたような出題となっています。面倒がらずに見ておきましょう。

令和3年 国内実務 問題1(3) 配点4点/100点

貸切バスによる運送に関する以下の設問について、選択肢の中から答を1つ選びなさい。
貸切バスによる運送に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(注1)「一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の変更命令について(平成26年3月26日付 関東運輸局長公示)」によるものとする。
(注2)選択肢イ.は、消費税の計算は行わないものとする。

選択肢ア.
運賃は、車種別に計算した金額の最高額及び最低額の範囲内とすることとし、かつ、営業所の所在する出発地の運賃を基礎として計算することが、貸切バス運賃計算の基本として定められている。

選択肢イ.
所定の方法により計算された運賃が下限額である80,000円の貸切バスを、学校教育法による高等学校に通学する者の団体が利用する場合であっても、運賃は80,000円となる。

選択肢ウ.
バス会社は、標準的な装備を超える特殊な設備を有する車両については、運賃の5割以内の特殊車両割増料金を適用することができる。

選択肢エ.
バス会社は、走行時間が1時間50分の場合は、走行時間を2時間として時間制運賃を計算する。

 

 

冒頭で述べたように、この問題では日頃あまり見ないようなポイントから出題されています。「時間制運賃」「キロ制運賃」計算だけでは単純なので、過去問学習の観点からはこういった知識の幅を拡げられる問題の方がありがたいのかもしれません。

この問題の正解(誤っているもの)は選択肢エ.です。

エッ? 間違っているの? と思った方は、この問題を学習した価値があります。
時間制運賃の計算において、走行時間1時間50分に対し、端数が30分以上なので切り上げて2時間分で計算。ここまでは計算方として合っています。
ポイントはこの先。実は時間制運賃には「最低保障ルール」があり、走行時間が3時間に満たない場合には3時間分を計上しなければいけないのです。
実際には前後1時間ずつの「点呼点検等時間」も加わるので、申込者が支払う時間制運賃は、最低で走行時間3時間+点呼点検等2時間の5時間分から、ということになります。

これ以外の選択肢はいずれも"正しい"です。

選択肢ア.の内容は「運賃計算の基本」という項で定められています。
・運賃は、車種別に計算した金額の上限額及び下限額の範囲内とする(安すぎても高すぎてもダメ)
・運賃は、営業所の所在する出発地の運賃を基礎として計算するものとする(計算に用いる運賃表はコレと決められている)
とし、ケース(顧客)に応じてバラバラな運賃計算が行われないようになっています。

選択肢イ.も"正しい"です。
学校教育法による学校(大学及び高等専門学校を除く。)に通学又は通園する者の団体については、何も抵触しなければ2割引となりますが、その場合であってもあらかじめ決められた下限額の運賃を下回ることはできません。

選択肢ウ.は文中にも書かれている「特殊車両割増料金」の規定です。
「標準的な装備を超える特殊な設備を有する車両」の一例としては「リフトバス」が挙げられます。
他には"豪華な車両"(旅客1人当たり相当の車両価格が標準的な車両のものより70%以上高い場合、という基準あり)にも適用されます。

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