旅行好きのための国内旅行業務取扱管理者ガイド

令和4年過去問解説 全問対応しました 「趣味は旅行です」から1ランク上を目指す方へ!

MENU

「乗継割引」さらに縮小へ JR西日本・四国特急料金見直し

国内旅行業務取扱管理者試験でも準常連のように出題されていた(今年は結局出題されたのかしらん?)「乗継割引」制度がまた改定される運びとなりました。

気が早いかもしれませんが、来年の試験には影響するやもしれないので、この機会に取り上げておきます。

 

 

今回の発表は、JR西日本と四国です。つまり、JR北海道・東日本・東海の範囲では今のところ変化ありません。(このあとに発表が出てくる可能性はゼロではありませんが)

JR西日本
・「乗継割引」の一部廃止(後述します)
・「B特急料金」の廃止
・「特定特急料金」の改定

◎JR四国
・「乗継割引」の廃止(後述します)
・「特定特急料金」の廃止(JR西日本瀬戸大橋線関連)

「B特急料金」は、これまでJR東日本・西日本・九州でそれぞれ設定されていましたが、そのうちの西日本エリアで全廃になります。
B特急料金を廃止 = A特急料金に統一 を意味し、実質的な値上げですね。

旅行業務試験の視線で言えば、「B特急料金」自体は出題のタネにはなりにくいので、ともすればスルーしがちですが、旅客に与える影響は結構なものかと感じます。
該当地域(特に山陰・紀州)の住民及び受け入れ側となる観光関係者はもちろん、意外に「?!」となりそうなのは、
関空特急「はるか」の利用者(つまり海外旅行客も含めて)
JR京都線神戸線の通勤客で"ホームライナー的"特急(「びわこエクスプレス」「らくラクはりま」など)の利用者
あたりでしょうか。1回1回の出費増の積み重ねが、結果的に利用者離れとならなければよいのですが。。。

「特定特急料金」の改定も同じですね。「この値段だから乗ってたのにー」という声があちこちから聞こえそうです。
元々の特性上、特定特急料金は比較的短距離(50キロ前後とか)に設定されることが多く、その廃止は「我慢して普通列車に乗る」(=不満の蓄積)に直結しがちです。

 

 

さて、本題の「乗継割引」縮小です。

非常に嫌な言い方になりますが、先に言っておくと、旅行業務試験的には「覚えることが少なくなる」ことを意味します。

これまでと今後を比較して見てみましょう。以前の過去問解説でも述べた通り、「乗継割引」は設定駅はどこなのかを覚えるのが一番早道です。

【過去問解説】 JR乗継割引 (令和3年出題) はこちら

1,東海道・山陽新幹線のうち、新横浜~新下関の各駅(つまり、東京・品川・小倉・博多は除く)
2.九州島内に乗継割引設定駅は存在しない
3.新青森新函館北斗・長岡・新潟・長野・金沢の6駅を覚える。
4.上越妙高駅では特急「しらゆき」(直江津以遠)との乗継割引設定有り。同様に金沢駅でJR七尾線特急(津幡以遠)の乗継もOK。
5.新幹線と在来線特急との間に普通・快速列車を挟んでよいのは、新大阪-大阪、岡山-坂出、岡山-高松の3区間だけ。

以上が「これまで」です。2023年3月末をもって終了なので、もう次の国内旅行業務取扱管理者試験ではこの通りには出ません。

今回のニュースリリースJR西日本・四国発表)を受けるとこう変わります。赤字箇所が変化した部分です。

1,東海道・山陽新幹線のうち、新横浜~相生の各駅(つまり、東京・品川と岡山~博多は除く)
2.九州島内と四国島内に乗継割引設定駅は存在しない
3.新青森新函館北斗・長岡・新潟・長野・金沢の6駅を覚える。
4.上越妙高駅では特急「しらゆき」(直江津以遠)との乗継割引設定有り。同様に金沢駅でJR七尾線特急(津幡以遠)の乗継もOK。
5.新幹線と在来線特急との間に普通・快速列車を挟んでよいのは、新大阪-大阪の1区間だけ

3番目と4番目はそのままです。これで覚え直してください。

要するに今回外れたのは、

山陽新幹線の岡山~新下関各駅での乗継
・新幹線岡山から「マリンライナー」等に乗り、坂出駅で松山・高知方面特急に乗継
・新幹線岡山から「マリンライナー」等に乗り、高松駅で徳島方面特急に乗継

これに加えて、
寝台特急サンライズ」から坂出駅高松駅で四国島内特急に乗継

も廃止です。ゆえに、四国島内特急が絡む乗継割引は全廃となります。
JR西日本エリアでは米原~相生各駅(新大阪-大阪含む)と上越妙高金沢駅での乗継だけが残る)

先ほども触れましたが、思い切り割り切って旅行業務試験的に見れば少しだけ覚えやすくはなりましたね。

でも「旅行好き」視線ではつまらないです。地元住民や旅行客・通勤客の心情を思えば言うに及ばず。
繰り返しになりますが、これがさらなる利用者離れに繋がらないことを切に願います。